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BtoB企業SNSの成功事例|GMOサイン「馬」に聞く人気アカウントの運用とAI活用

BtoB企業SNSの成功事例|GMOサイン「馬」に聞く人気アカウントの運用とAI活用

GMOサインの「馬」さんがBtoB企業のSNS運用で重視しているのは、投稿だけで認知を広げようとするのではなく、フォロワーとの関係づくりを軸に、登壇やメディア露出などの外部活動、さらにAI活用まで組み合わせることです。

今回は、BtoB企業のSNS運用の成功事例として、GMOサイン公式Xの「中の人」として活躍する「馬」さんにインタビューしました。

BtoC企業でのSNS運用からBtoBへ移ったことで何が変わり、何を変えなかったのか。さらに、投稿作成やデータ分析にAIをどこまで活用しているのか、人にしか担えない役割は何なのか。そして、AIがWebやSNSから情報を探す時代に、企業はどう「見つけてもらう」のかについて伺います。

GMOサイン公式X「馬」とは?

電子契約サービス「GMOサイン」の公式X(@GMO_Sign)を運用するSNS担当者。馬の被り物をトレードマークに、企業公式アカウントの「中の人」として情報発信を行っています。

前職のわかさ生活では、公式Xのフォロワーを1万人未満から17万人超まで成長させ、年間3億インプレッションを2度達成。2025年3月からGMOサイン公式Xの運用を担当し、電子契約というBtoB商材でありながら、日常やトレンドを交えた親しみやすい発信に取り組み、担当開始時約3.4万人だったフォロワーが6万人を超えています。SNS運用にとどまらず、企業コラボ、メディア取材、外部メディアへの寄稿・連載、セミナー登壇などにも活動を広げています。

そんな馬さんに、BtoCからBtoBへ移ったことでSNS運用はどう変わったのか、さらにAI時代の企業SNSについて伺いました。

BtoCとBtoBでSNS運用はどう変わる?

BtoCからBtoBに変わっても、「フォロワーと一緒にアカウントを育てる」という運用の軸は変わっていません。一方でBtoBでは、SNSを登壇や外部イベントにつなげ、リード獲得やサービス認知にも生かすようになったといいます。

Q.わかさ生活でのBtoC運用と、GMOサインでのBtoB運用をどちらも経験されて、『変わったこと』と『変わらなかったこと』は何ですか。

大きく変わったのは、伸びやすさの部分です。

前職のわかさ生活は、社名や看板商品のブルーベリーアイを知ってくださっている方も多く、消費者の方に比較的なじみがある恵まれた環境でした。一方で、GMOサインはBtoB向けの電子契約サービスなので、最初から多くの人に身近に感じてもらえる商材ではありません。そこに違いをかなり感じました。

ただ、運用のスタイル自体は大きく変えていません。入社前後の期間だけで、馬を応援してくださっていたフォロワーさんが8,000人近く付いてきてくださいました。この方たちがいるからこそ、応援してくださるフォロワーの皆さんと一緒にアカウントを育てていくというこれまでのやり方を変えずに、BtoBという環境でも運用できています。

Q.約8,000人ものフォロワーが新しいアカウントにもついてきたというのは、それまで築いてきた関係性の強さが伝わります。運用スタイルは変えなかったとのことですが、一方で意識的に変えたことはありますか?

そのうえで、意識的に変えたことは、外部のイベントの基調講演など、登壇を積極的にお受けするようになったことです。BtoCの頃は、登壇しても「すごいね」と言っていただけることはあっても、それが直接事業に返ってくる感覚は正直あまりありませんでした。ですがBtoBでは、登壇でいただいた名刺がリードになったり、決裁者層の方と出会うきっかけになったり、サービス認知につながったりします。

やっていることは同じでもBtoBに来てから、ひとつひとつの出会いや機会の重みをより強く感じるようになりました。そのため、SNSで築いた土台を外部の場にも繋げ、SNSと、そこを起点にした外部活動の両輪で認知を広げることを意識しています。

企業SNSでAIをどう活用する?人にしかできない役割とは

SNS運用におけるAI活用は、データ分析から画像生成へと広がっています。一方で、フォロワーとの会話を想定した「余白」やコミュニケーションの空気感は、人が担う領域として残しているといいます。

Q.SNS運用では、AIをどのような場面で活用していますか?

2025年の時点では、投稿そのものにAIを使うのはまだ難しいと判断していました。そのため、主にSNSではデータ分析やアルゴリズムの理解の役割で活用していました。
AIは日進月歩で進化しています。それに伴い2026年の今では、投稿用の画像生成などにも活用の幅を広げています。

Q.SNSでのAI生成画像は賛否が分かれる部分もありますが、活用するうえで工夫している点はありますか?

心がけているのは、実物と見間違えさせる目的でAI画像を使わないことです。現実では難しくても、AIだからこそ作れるシーンにする。あるいは、AIを混ぜることで実写の価値を高める。この2点を意識しています。

これまでは実写だけで投稿していたので、毎日同じご飯を食べているように、良くも悪くもフォロワーさんにとって「当たり前」になりがちでした。AI画像を織り交ぜて実写の頻度を少し薄めれば、実写が出てきたときの価値が自然と上がります。そこも狙いのひとつです。一方で、人間同士のやりとりの空気感や、「こういうツッコミが来るだろうな」と想像しながら投稿に余白をつくる部分は、まだ自分の方で判断した方がいいなと思っています。

AI時代に企業SNSはどう「見つけてもらう」のか?

AIに見つけてもらうために馬さんが重視しているのは、AI向けの特殊な施策ではなく、取材・寄稿・登壇などを通じてWeb上に参照可能な情報を積み上げることです。SNSだけで情報発信を完結させず、パブリシティと組み合わせています。

Q.AIが情報をSNSやWebから集めてユーザーに提示する時代になりましたが、『AIに選ばれる(認識される)ための工夫』など、対策はされていますか?

これまで多くの取材や外部イベントへの登壇の機会をいただいてきました。今後は、そうしたお声掛けにつながる「見つけてもらうきっかけ」が、AIに移っていくと考えています。この勝負はすでに始まっています。ただ皮肉なことに、AIという新しい技術の時代になっても、AIが参照するのは、これまでWeb上に積み上げられてきた記事や情報です。つまり、AIに見つけてもらうために必要なのは、何か新しい特別な手法というより、地道な広報活動の積み重ねなのだと思っています。

だからこそ、SNSの活動をSNSの中だけで完結させず、広報パブリシティの手法と掛け合わせることを意識しています。AIが情報の入り口になる時代は、もう来ていると思います。そのため、AIが参照できる情報ソースを今のうちからでも増やしておくことが急務だと感じ、積極的に露出の場を求めています。AIOの視点でも、こうしたパブリシティ活動はますます大切になると考えています。

Q. AIに見つけてもらうために、具体的にはどのような情報発信を増やしていますか?

自身で執筆する寄稿記事の連載に力を入れています。自社の中で書くものと第三者メディアの場をお借りし、編集の承認を経て掲載されるものとでは、外部やAIからの信頼性が異なります。そうした連載を大切にしつつ、これらの連載や取材での露出はnoteで1つに集約し、AIが見つけやすい場所にしています。

Q. 一方で、AIには作れないSNSコミュニケーションとして大切にしていることはありますか?

AIには作れない“生の会話”を大事にしています。生の会話の設計には先ほど触れた「余白」の考え方がそのまま当てはまります。アルゴリズムやAIOを通じてAIを理解する努力と、AIには作れない会話の空気感。その両方を持つことが、これからの中の人に求められることだと思っています。

まとめ

今回のインタビューから見えてきたのは、BtoBのSNS運用でも、フォロワーとの関係を築きながらアカウントを育てるという基本の軸は変わらないということです。

一方で、AIがWebやSNSから情報を探し、ユーザーに提示する機会が増えるなか、取材記事や寄稿、登壇などを通じてWeb上に参照できる情報を積み上げていくことも、これからの企業SNS運用を考えるうえで重要な視点の一つです。

AIを活用して効率化する部分と、人にしか生み出せないコミュニケーション。その両方を生かしながら、SNSの外にも情報発信を広げていくことが、AI時代の企業SNS運用を考えるヒントになりそうです。

プロフィール
吉田一貴
マーケティング支援会社での10年以上の経験。 各種マーケティングに精通し、累計運用額50億円以上・30媒体以上の実績を誇る。
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