Z世代トレンドラボ

Z世代のAI活用とタイパに関する意識・行動調査

2026.10.19|Gen Z Lab
Z世代のAI活用とタイパに関する意識・行動調査

「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が定着して久しく、時間をいかに効率よく使うかは、Z世代の行動を左右する大きなテーマになっています。その有力な手段として存在感を高めているのが、ChatGPT、Gemini、Claudeなどの生成AIです。

一方で、生成AIが実際にどれだけの時間を生み出し、その時間が何に使われているのかは、立場や性別によって違いがあるはずです。そこでZ世代トレンドラボ byGMOでは、高校生・大学生・社会人を対象に、生成AIの利用頻度、短縮できた時間、短くなった行動、浮いた時間の使い道を調査しました。本記事では、高校生男子・女子、大学生男子・女子、社会人男性・女性の6層に分けて、その違いを読み解きます。

この記事のポイント

・生成AIを週1日以上使う人は、高校生女子と大学生女子が81.0%で最多。社会人は男女とも半数に届かず(男性45.7%、女性49.7%)、約4割が未利用
・週1時間以上の短縮を実感する人は、大学生男子53.8%、大学生女子55.3%と5割超。高校生は「1時間未満」が中心で、短縮幅は小さめ
・短くなった行動は、学生4層すべてで「勉強で分からないことを理解する」が1位(高校生は約6割)。社会人は「知りたい情報を探す」が5割近い
・浮いた時間を有効に活用できているのは、高校生男子が83.1%で最多。大学生女子は54.7%で「どちらともいえない」が3割超
・浮いた時間の使い道は、高校生は課題・動画・SNS、大学生女子は睡眠、社会人は男女とも「趣味や推し活をする」が1位

【目次】

1. 利用頻度は学生が先行、社会人は約4割が未利用


まず、生成AIをどのくらいの頻度で使っているかを見ていきます。「週1日以上」利用している人は全体で62.9%でした。層別では、高校生女子と大学生女子が81.0%で並んで最も高く、大学生男子71.6%、高校生男子64.7%と続きます。一方、社会人は男性45.7%、女性49.7%と、男女とも半数に届きませんでした。

図1 生成AIの利用頻度(男女別)

「ほぼ毎日」使う人の割合も、高校生女子が37.3%と最も高く、大学生女子33.3%、大学生男子29.5%の順です。高校生男子は23.5%、社会人は男性21.2%、女性20.2%でした。

男女差が大きいのは高校生で、「週1日以上」は女子が男子を16.3ポイント上回りました。大学生では9.4ポイント差、社会人では4.0ポイント差と、学年・立場が上がるほど男女差は小さくなります。


2. 短縮幅が最も大きいのは大学生


次に、生成AIの利用者に、使わなかった場合と比べて1週間の合計でどのくらい時間を短縮できているかを聞きました。「週1時間以上」短縮できていると答えた人は全体で43.1%です。層別では、大学生女子が55.3%、大学生男子が53.8%と5割を超え、他の層を引き離しました。

図2 生成AIによる1週間あたりの短縮時間(男女別)

社会人は男性40.4%、女性42.9%、高校生は女子40.4%、男子33.3%でした。高校生は「1時間未満」が男子40.0%、女子45.2%と最も多く、大学生(男子26.9%、女子28.9%)と対照的です。高校生では、小さな時短を積み重ねる使い方が中心のようです。

「3時間以上」短縮できている人は、大学生男子14.1%、社会人男性14.0%、大学生女子13.2%と1割を超える一方、高校生女子は4.8%にとどまります。

また、「分からない」が社会人男性で22.8%、高校生男子で18.1%と高めです。「短縮できていない」「かえって時間がかかっている」の合計も、大学生男子(10.3%)と高校生男子(8.6%)で1割前後に上り、男子で効果の実感がばらつく傾向が見られました。


3. 学生は「勉強」、社会人は「情報探し」が時短


時間短縮を実感している人(n=495)に、どのような行動の時間が短くなったかを複数回答で聞きました。全体では「勉強で分からないことを理解する」が40.8%で最も高く、「知りたい情報を探す」37.8%、「文章を直したり、表現を整えたりする」29.7%が続きます。

図3 生成AIで時間が短くなったと感じる行動(男女別)

6層で見ると、はっきりした違いがあります。「勉強で分からないことを理解する」は学生4層すべてで1位で、高校生男子58.4%、高校生女子56.0%と約6割、大学生男子41.3%、大学生女子37.5%でした。社会人では男性21.7%、女性22.9%と2割ほどにとどまります。生成AIが、学生にとって「学びの時短ツール」になっていることがうかがえます。

社会人の1位は「知りたい情報を探す」で、男性45.8%、女性49.4%と5割近くに達します。学生では高校生男子の42.9%を除き、2〜3割台でした。

大学生は、アウトプットに関わる行動も目立ちます。「アイデアや企画を考える」は男子28.6%、女子28.1%、「レポート・資料・発表内容などを作る」は男子28.6%、女子31.2%です。大学生男子は「プログラムやデータの作成・修正をする」も20.6%と、他の層(5.6〜9.6%)を大きく上回りました。

性別差では、高校生の「メール・メッセージなどの文章を作る」が男子9.1%、女子22.4%と開きました。社会人女性の「複数の商品・サービスや選択肢を比較する」(21.7%)も、高校生男子(6.5%)と大きな差があります。


4. 有効活用の実感は高校生男子が83.1%で最多


生成AIで短縮できた時間を有効に活用できていると思うか聞いたところ、「とてもそう思う」「ややそう思う」を合わせた肯定的な回答(TOP2)は全体で67.7%でした。層別では、高校生男子が83.1%と最も高く、高校生女子70.4%、社会人男性68.7%、社会人女性63.9%、大学生男子60.3%、大学生女子54.7%の順です。

図4 短縮できた時間を有効に活用できているか(男女別)

高校生男子は「とてもそう思う」も33.8%と3割を超え、高校生女子(28.8%)、大学生男子(15.9%)、社会人男性(14.5%)を大きく上回ります。同じ高校生でも、男子は「どちらともいえない」が11.7%と少なく、女子の21.6%と差があります。

最も低い大学生女子は、「どちらともいえない」が34.4%と3割を超えました。大学生男子も30.2%で、大学生では男女とも、浮いた時間の活用に迷いがあるようです。前章のとおり、大学生は短縮幅が最も大きい層でした。時間は生み出せていても、その使い方に実感が追いついていない様子がうかがえます。


5. 浮いた時間の使い道:高校生は課題・動画・SNS、社会人は趣味・推し活


最後に、浮いた時間の使い道を複数回答で聞きました。全体では「動画・音楽・ゲームなどを楽しむ」と「学校の課題や仕事など、別の作業を進める」が各25.2%で並び、「趣味や推し活をする」23.0%が続きます。層別では、1位が大きく分かれました。

図5 短縮できた時間の使い道(男女別)

高校生男子の1位は「学校の課題や仕事など、別の作業を進める」で37.7%、次いで「動画・音楽・ゲームなどを楽しむ」が33.8%でした。高校生女子は「SNSを見たり、投稿したりする」が31.2%で最も高く、「休憩したり、何もせずに過ごしたりする」「別の作業を進める」が各28.8%で続きます。高校生は、課題と娯楽・SNSの両方に時間を振り向けています。

大学生男子は「動画・音楽・ゲームなどを楽しむ」が28.6%で1位です。大学生女子は「睡眠時間を増やす」が31.2%で最も高く、次いで「別の作業を進める」28.1%、「趣味や推し活をする」26.6%でした。大学生女子では、休息に充てる傾向が目立ちます。

社会人は男女とも「趣味や推し活をする」が1位で、男性28.6%、女性27.7%です。「新しいことに挑戦する」も男性21.4%、女性19.3%と、学生(7.8〜12.7%)より高くなりました。浮いた時間を、自分の楽しみや成長に使う傾向がうかがえます。


6. まとめ


今回の調査から、生成AIの活用とタイパ意識は、6つの層で次のように異なることがわかりました。

利用は学生が先行し、特に高校生女子・大学生女子では8割超が週1日以上使っています。社会人は男女とも半数に届かず、約4割が未利用でした。短縮幅は大学生が最も大きく、週1時間以上の短縮を実感する人が男女とも5割を超える一方、高校生は「1時間未満」が中心です。

何の時間が短くなったかには、立場が表れます。学生は4層すべてで「勉強で分からないことを理解する」が1位で、生成AIは学生にとって「学びの時短ツール」になっています。社会人は「知りたい情報を探す」が5割近くと、情報収集で時間を短縮しています。

浮いた時間の使い方は、さらに分かれました。高校生は課題を進めつつ、動画やSNSにも時間を振り向け、高校生男子は83.1%が有効に活用できていると答えています。大学生は短縮幅が大きい一方で、女子は睡眠、男子は動画・音楽・ゲームと休息・娯楽が上位で、活用の実感は「どちらともいえない」が3割を超えました。社会人は男女とも趣味・推し活が1位で、新しいことへの挑戦も学生より高くなっています。

タイパというと、効率を追い求めるイメージが先行しがちです。しかし今回の結果では、Z世代は生成AIで生み出した時間を、休息や趣味、挑戦といった自分のための時間にも使っていました。生成AIが生む時間の価値は、短縮された時間の長さだけでなく、その時間を何に充てるかで決まるのかもしれません。


調査テーマ Z世代のAI活用とタイパ意識に関する調査
調査対象 高校生294人(男子136人・女子158人)、大学生179人(男子95人・女子84人)、社会人357人(男性184人・女性173人)、計830人
調査方法 インターネット調査
調査時期 2026年9月25日~27日
調査主体 Z世代トレンドラボ byGMO

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神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
ライター:神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
TRUE MARKETING編集長
Z世代トレンドラボ主任研究員
AI検索ラボ編集員

ストラテジックプランナー、リサーチャーとしてWebプロモーションの戦略立案、各種リサーチなどを担当。
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