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IAS社と語るアドベリフィケーションの現状と未来

2021.07.29Premium Contents
IAS社と語るアドベリフィケーションの現状と未来

(左)GMO NIKKO 広告事業本部 AFパフォーマンス部TRUE Affiliateグループ マネージャー 眞木 大造氏
(中央)Integral Ad Science アカウントエグゼクティブ 長谷川 弥氏
(右)GMO NIKKO 広告事業本部 マーケティングソリューション2部 エグゼクティブマネージャー 五十嵐 慧氏
 

アドベリフィケーションとは

五十嵐:今回はアドベリフィケーション(以下、アドべリ)についてお伺いしたいのですが、IAS社はアドベリという言葉が浸透する前からサービス展開されていました。
今ではアドベリは当然意識されているテーマだと思いますが、改めてそもそもアドベリとは何か教えていただけますか?

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長谷川:まずアドベリの背景を理解することが重要です。日本の媒体別広告費が2020年にテレビ広告費用をデジタル広告費用が上回ったという衝撃のニュースがありました。
インターネットの可処分所得時間が長くなったことが大きな要因ですが、テレビ広告と比較してデジタル広告の柔軟性が高いことも要因のひとつだと捉えられています。

テレビ広告を始めとするマス広告は、審査も厳しく信頼性は非常に高い広告枠なのですが、出稿のタイミングやスケジュールの柔軟性は低く、出稿のかなり前からメディアプランニングや枠押さえの必要があります。対して、デジタル広告、特に運用型広告といわれる分野はリアルタイムに限りなく近い形で広告掲載をすることができます。しかしどこに広告が掲載されるかは把握しにくい。例えば不適切なニュース記事のすぐ横に広告が掲載されてしまうことも多くあります。広告掲載に対する安心安全が担保されていないのですね。この広告掲載の安心安全を担保するためには掲載面をしっかり見直し、コントロールする必要が出てきた。これがアドベリという概念が出てきた背景です。

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注)2021年、デジタル広告の品質課題のうち、「アドフラウドを含む無効配信の除外」、「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」の品質認証に取り込み、デジタル広告の品質を第三者認証する機構「JICDAQ」が設立された。

長谷川:JICDAQ宣言に「アドフラウドを含む無効配信の除外」がありますが、IASでは「きちんと人に見られている広告であることが重要」という考えから広告のビューアビリティの担保にも力を入れています。

五十嵐:IASのサービスを使っている広告主から「こんなにデジタル広告って見られていないんだ」と驚かれることはありますか?

長谷川:よくありますね。ビューアビリティの低さは多くの広告主にとって大きな課題です。例えば、ある広告は画面に100%広告が表示されるのでビューアビリティが高いと一般には認識されていても、実際に計測してみると10%以下になってしまうこともあります。ユーザーは見たくない広告はすぐ飛ばしてしまうので、「きちんと見た」といえるだけの時間、ビューアブルだと判定される基準時間まで表示されていないことも多いのです。

五十嵐:見られていないインプレッションに広告費がかかってしまうのは確かにもったいないですよね。その他では広告主からどんな相談を受けることが多いですか?

長谷川:例えばコールセンターに消費者からクレームが入って弊社にお問い合わせいただくことがよくあります。掲載すべきでない不適切な場所で広告を目にした消費者が企業に対して不信感を抱きクレームを入れるのです。

そういった問い合わせを受けてもどこに広告が掲載されているのか把握することは難しい。それがきっかけとなり、掲載の事実を把握し改善するために弊社のツールを導入することがあります。
それによって、問題があった時の対処はもちろん、事前に掲載先を確認した上で広告出稿を行うことが可能になります。問題が起こる前に対処できることが非常に重要なポイントです。

アフィリエイト広告におけるアドベリフィケーション

五十嵐:弊社ではアフィリエイト広告におけるアドベリフィケーションを守るためにTRUEアフィリエイトbyGMOというサービスを展開しています。
これまでアフィリエイト広告に関してはアドべリに対する意識があまりなかったため、サービスローンチ時には多くの広告主からお問い合わせをもらいました。

眞木:アフィリエイト広告は成果報酬型なので多くのメディアに無料で掲載することができるメリットがある反面、広告成果を追い求めるあまり広告掲載が過激になりがちでした。
そんな中、2018年の6月に違法な表現のアフィリエイト広告に対して景表法違反の判決が下りました。さらに2018年の10月に消費者庁がアフィリエイト業界全体のルールを策定しようとする動きがありました。そうした動きがあったこともありアフィリエイト業界全体でのアドベリへの意識が高まりました。

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眞木:TRUEアフィリエイトbyGMOでは自動でメディアを巡回して、危険なメディアにアフィリエイト広告を出なくすることが可能になります。これを手動でやろうとすると工数がかかる、かつ全てを確認するのは現実的に難しいです。
アフィリエイト広告に限らず、デジタル広告はそれこそ無限に掲載先メディアが広がっているのでIASを入れることで自動的にリスク回避できる点には非常にメリットを感じます。

長谷川:そうですね。デジタル広告は成果が数字で見ることできるメリットがあるので数字至上主義になりがちです。そうなると数字を求めるため(一部の業者ではあるのですが)様々な不正も行われます。一時期テレビ番組で『デジタル広告の闇』と題した特集が組まれるなど大きな話題になりましたよね。

私たちは広告の掲載先を配信許可リストに絞っているからと安心していても、実際にIASのツールを通して見ると配信許可リスト外にも広告が配信されていることがあります。ドメインを偽装するなど、リスト規制をかいくぐる手法が後を絶ちません。
IASのツールを入れると広告主の基準に満たないメディアへの掲載を高い確率でブロックすることができます。

アドベリに対する日本と海外の違い

五十嵐:グローバルでサービス展開をされているIAS社から見て日本と海外はどのような違いがありますか?

長谷川:海外の媒体は広告枠を販売していくためにはもはやアドベリ対応が当たり前になっています。実際、アメリカの広告主TOP100社中、大多数がアドベリを実施しています。一方、日本では多く見積もっても5~10%程度とかなりのギャップがある。そのギャップを埋めて日本もアメリカと同じ環境にしなければと考えています。

また、アドベリは広告主だけが主導で実施するものではなく、デジタル広告に知見がある代理店やメディアも率先して実践すべきだと考えています。代理店やメディアが広告主に提案する広告枠はアドベリができていて当たり前であるべきです。

この世界を実現するために、広告主、代理店、媒体など、業界ステークホルダーが一丸となってアドベリを推進していきたいと考えています。

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五十嵐:日本でもアドベリへの意識は強まっていると感じていたのですが、まだ5~10%しか実施していないとは驚きました。

長谷川:日本ではまだ、よくわからないけども安く掲載できる媒体に出稿されやすい傾向があると思います。ただ私たちからみれば、多少広告費が高くなったとしても事前に信頼できる媒体を選び出稿した方が、問題が生じたあとからあわてて対策に動くよりもよっぽど良いですし、広告効果も向上します。

アメリカでは自分たちを守れるのは自分たちしかいないという意識が非常に高いのでアドベリが当たり前になっているのかもしれません。

五十嵐:TRUE MARKETINGの読者である事業会社のデジタルマーケターがアドベリを導入しようと考えた時、まず初めに実施すべきポイントを教えてください。

長谷川:代理店からの広告配信レポートを確認する際、インプレッション数やクリック数など数値として見える結果だけを確認していることが多いと思うのですが、量的な部分だけでなく、インプレッション、クリックの質的な部分にもっとこだわりましょうと提案しています。

そのためには、まず見られていない無駄な広告を削減し、ビューアビリティが担保された広告を増やすこと。見られている広告の比率を増やすことができれば同じ広告費を投資しても効果は確実に上がります。

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IASの特徴について

五十嵐:アドベリツールはいくつかあると思いますが、IASが持つ優位性はどんなところにありますか?

長谷川:私たちはある意味「ものさし」を提供しているのでその正確性が命になります。IASの計測技術はMRC や TAG といった第三者の監査を受けており、その数字の正確性に認証を受けることでサービスが成り立っています。

また外資大手メディアから、効果計測のベンダーとして認証を受けていることも強みの一つです。

例えばYouTube。通常YouTubeに広告を出稿した際にどのチャンネルに掲載されたかまでは見ることができますが、IASはどのチャンネルのどの動画に広告が掲載されていたのかまで見ることができます。これはYouTubeから特別な認証を受けているからできることです。YouTubeからこの特別な認証を受けている会社は世界で7社しかありません。その中の1社がIAS社です。

YouTubeはプロ・アマ問わず数多くのクリエイターが動画を作成・投稿しているので、そのクオリティは大きなバラつきがあり、内容的にグレーな動画も多く含まれてしまっています。

そこでIASは配信先の動画の内容までチェックして、商品との関連性を調べます。そのうえで広告掲載に問題がない動画のみでホワイトリストを作ってそこにターゲティング配信することもできます。そこまでできるのはIAS社だけです。

五十嵐:最後に今後の展望を教えていただけますか。

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長谷川:もうすぐそこまで来ているクッキーレスの世界(リターゲティング広告が難しくなる世界)の中でどう広告の効果を担保するのか議論されていますが、IASでは解決方法のキーファクターとして「ブランドスータビリティ」に注目して、サービスの開発・提供をしています。

例えばアルコールに関するコンテンツがあればビール会社はそこに広告を掲載したいけども、自動車会社はそこに広告を出したくはないですよね。IASではそれぞれの企業によって異なる配信基準を設定し、さらに配信面のテキストを解析する技術を活用することで企業によって基準が違う適切な面への配信を的確にコントロールすることができます。 
ブランドと面との適合性を重視して配信する技術、これはクッキーレスの時代において非常に有効な手段になると考えています。

五十嵐:クッキーレスによって人から面にターゲティングが回帰していく、と考えると何か感慨深いものがありますね。

TRUEアフィリエイトbyGMOでもブランドセーフティを守りつつも広告効果を高めていくアフィリエイト広告を目指しており、お話を聞いて貴社との共通点もとても多いと感じました。是非これからもタッグを組んで「デジタル広告の安全・信頼&効果向上」に向けて進んでいきましょう。

本日はありがとうございました!

IAS様公開の特別レポート

インタビューにご協力いただいたIAS様は半年に一度メディア品質指標のグローバルレポートを公開しています。

レポートでは、日本のデジタルメディアのパフォーマンスと品質を示すアドフラウド、ブランドセーフティ、ビューアビリティの各指標を、端末(デスクトップ/モバイル/CTV)、環境(ウェブブラウザ/アプリ)、広告フォーマット(ディスプレイ/動画)別に、世界20カ国のデータとともにご確認いただけます。

今回のレポートは2020年下半期版になります。
レポートをご希望の方は下記フォームより必要項目を記載した上でダウンロードください。

ライター:五十嵐 慧 (いがらし けい)
2007年に入社。入社からメーカー系のクライアント様を中心にリスティング・SNS・動画:リアルメディアなど、あらゆる手法でこれまで数多くのデジタルプロモーションを支援。近年は採用・育成・コミュニケーション支援など「働く」のフレームワーク構築にも従事している。
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