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Z世代が損をしない社会を実現へ。 SHIBUYA109 lab.長田麻衣 #サプライジングパーソン

2023.10.05Premium Contents
Z世代が損をしない社会を実現へ。 SHIBUYA109 lab.長田麻衣 #サプライジングパーソン

ソーシャルギフトサービス「GIFTFUL」を運営する株式会社GiftXいいたかゆうたさんが、マーケターと対談しつつその知見を学び、変化の時代を生き抜くビジネスの本質に迫る連載「サプライジングパーソン」。

今回のゲストは、SHIBUYA109 lab.所長の長田麻衣さんです。SHIBUYA109 lab.はaround20(15〜24歳)に特化した、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントのマーケティング機関です。所長の長田さんを中心に、毎月200人のZ世代との交流を通じて、Z世代の文化を追いかけてきました。

取材では、Z世代の1人である当社メンバーの平井かのん(マーケティング本部ブランド戦略部)も加わり、長田さんが見てきたZ世代の特性や抱えている負の部分を伺いました。

(執筆:サトートモロー 進行・編集:いいたかゆうた 撮影:小林一真)

SHIBUYA109だからこそできる「Z世代のN1分析」

いいたか:
長田さんの経歴について教えていただけますか?

長田:
私は新卒で株式会社ネオマーケティングに入社して、企画営業として顧客の市場調査やPRを担当しました。その後、「事業会社で働きたい」という想いが強くなり転職先を探していたところ、SHIBUYA109エンタテイメントの募集を見つけました。

求人内容がマーケティング部の立ち上げということで、ゼロからのスタートが面白そうだと思ったんです。当時は「109って会社があるんだ」くらいの認識だったんですが(笑)。

2017年7月に入社後は、マーケティング部を立ち上げて活動内容、ブランドターゲットを決めていきました。around20のデータを集めていたところ、「このデータを対外的にも活用していこう」と社長が考え、2018年に立ち上げたのがSHIBUYA109 lab.です。

いいたか:
データはどのように集めているのですか?

長田:
Web調査会社や大手マーケティング会社の購買データから定量的なデータを収集しますが、それだけでは分からないことも多いです。そこで、私たちはN1分析を活動の基盤にしています。

その一環として、例えばSHIBUYA109に来館してくれる方たちに声をかけて、最近のトレンドや好きなブランドをヒアリングします。SHIBUYA 109 lab.は私1人だった頃からずっと、毎月200人にインタビューして、生の声を集めています。

実際に生の声を集めることで、圧倒的に若者に対する理解度が上がりました。SHIBUYA109というブランドに対して、どんなクリエイティブやコンテンツ、コラボがZ世代に響くのかを、ターゲット視点で自然と考えられる土壌が作られたんです。トレンドの変化もその都度情報共有しており、ターゲットの視点に合った施策が次々と生まれています。

顧客に対しても、Z世代の実態を知ることができる納得感のあるデータを提供できているのが、私たちの強みだと思います。

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いいたか:
毎月200名に調査しているというのはすごいですし、とても重要な活動だと思います。調査会社に依頼して、一気に大量のデータを集める会社は多いですが、そのデータから見えない部分が多いなと思うんです。

一方で、足を使ってファクトを集めようという企業は少ないと感じています。SHIBUYA109さんは店舗があるというのが、情報を足で稼ぐ上で大きな強みになっているのですね。

長田:
Z世代はクレジットカードを積極的に使っている世代ではないので、購買データでは分からないことがたくさんあります。

例えば大阪の若者の消費実態を調査した時、ミナミ(大阪市中央区の難波・心斎橋・道頓堀・千日前を中心とした繁華街・歓楽街の総称)でお菓子がたくさん売れていることが分かりました。特に、お菓子がひとつずつ袋で小分けにされているタイプが人気でした。

その理由を知るためにアンケートをしたところ、大阪の子たちが「菓子パ(お菓子パーティー)じゃないですか?」と教えてくれたんです。

大阪の若い子たちには菓子パという文化があって、みんなでお菓子を持ち寄って、学校や友達の家でパーティをするんです。Z世代の声を聞くことで、「この購買データの裏にはこんなカルチャーがある」と知ることができ、データに納得感を持てました。

いいたか:
菓子パの背景にはどんなインサイトがあるのでしょうか?

長田:
ミナミには、大勢でワイワイできる場所が少ないらしいんです。友達の家に集まるというカルチャーが元々あり、親御さんに迷惑をかけずに楽しむために、菓子パの文化が形成されたんだと思います。

そうした定量的なデータの裏が分かると、「菓子パ向けのサービスを考えよう」など、Z世代が楽しんでいるシーンをイメージした提案につなげられるんです。

平井:
私は大阪出身なのですが、学校の休み時間によく菓子パをしていました。小分けにされたお菓子だと、みんなに配りやすいんです。

案件は「内容次第」。身近な人の嘘がない情報を求めている

いいたか:
30代以降の世代とZ世代の消費行動において、大きな違いがSNSの存在だと思います。Z世代とSNSの関係性について、この数年で変化はありましたか?

長田:
Instagramが主な情報源であるという点は、この数年変わらないトレンドです。ただ、ちょうど昨日大学生の男の子と1対1でインタビューしたんですが、彼は「最初に開くメディアはTikTokです」と話していました。

実際、TikTokやYouTubeショートなどのショート動画で情報収集している子は、徐々に増えています。

平井:
私もTikTokを中心にSNSを見ています。日常のスキマ時間でTikTokを見つつ、気になった情報をX(Twitter)やInstagramでさらに詳しく調べています。

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長田:
TikTokだけで終わらず、各SNSを頻繁に行き来しますよね。

それに、Z世代はSNSのアルゴリズムをかなり熟知しています。

例えばInstagramは、自分たちの好きな世界観に合わせた投稿が虫眼鏡マーク(発見タブ、パーソナライズされた投稿が表示される機能)に表示されます。それに対してTikTokは、「あなたはこういうのも好きじゃない?」というレコメンドコンテンツが表示されます。

こうしたアルゴリズムの違いを、ちゃんと分かっているんですよね。

いいたか:
平井さんは、アルゴリズムを意識してSNSを使い分けていますか?

平井:
はい。どのSNSもアカウントを2つ以上持っていて、「ファッションを見るアカウント」「コスメを見るアカウント」といったように使い分けています。TikTokの場合、少しでも気になるトピックとは違う投稿を見ると、アルゴリズムがすぐに崩れてしまうので。

長田:
TikTokはユーザー行動にすごく敏感なんですよね。Z世代の子たちは、情報整理をかなり意識してアカウントを使い分けているなと思います。

いいたか:
アカウントの使い分けは、Z世代特有のカルチャーなのでしょうか?

長田:
そうだと思います。私は今年で32歳ですが友人でTikTokを使っている人はほぼいません。使っている人も、暇つぶしのメディアで情報源として見てはいません。TikTokは多くの世代が見ていて、例えば美容に関する情報はどの世代にも参考になると思います。それでも、検索や情報の取捨選択のスキルは、Z世代の方が長けていると思います。

Z世代はステマや案件に対しても敏感です。SNSの世界に飛び込んだ時点でステマや案件が存在していた世代なので、否定的ではなく「内容次第だよね」という余裕を感じます。

平井:
案件動画のコメント欄を見ると面白いですよ。あるインフルエンサーの動画には、「この企業の案件をここまで面白い動画にできるのがすごい」というコメントが投稿されていました。TikTokではこのパターンを特によく見ます。「この企業こういうプロモーションするんだ」とか、「親近感がわく」とか。

長田:
企業の分析をしてる!?

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いいたか:
以前はなるべく企業のプロモーションということがバレないよう工夫していたと思うので、不思議な感覚ですよね。むしろ今の話を聞くと、企業プロモーションがクリエイターの価値を高めている気がしますね。

長田:
プロモーションとなると、企業側は「この商品をこうほめてください」と、クリエイターをコントロールしがちです。そうではなく、クリエイターの世界観や「いつものトーン」を尊重して商品を紹介してもらう方が、むしろ成功しているイメージです。

そのコンテンツをファンが見て、「案件をもらえるようになったんだ!おめでとう」「企業さんありがとう」というコミュニケーションにつながっている気がします。

いいたか:
そうしたコラボであれば、クリエイターにとってもすごくポジティブなものになりますね。

長田:
例えば「2人目のエガちゃん」という、TikTokで美容系のコンテンツを投稿している男性がいます。彼はずっと辛口コメントで美容アイテムを紹介していて、徐々に仕事が増えていったんです。

その時も、「このアイテム、エガちゃんがずっと推してたやつだ!」「案件おめでとう」と祝福ムードでした。見ている側にとっても、コンテンツに嘘がないと分かるから、素直に楽しめるのだと思います。

平井:
Z世代は「なぜその案件を受けたのか」に注目している気がします。

いいたか:
それを違う形でコンテンツ化しても面白そうですね。TikTokでのコラボ動画だけでなく、ブランドサイトで「なぜこのクリエイターを起用したのか」を書くとか。ちなみに、Z世代はXをどのように使っているのでしょうか?

長田:
Yahoo! JAPANのトップのような、速報性の高い情報の収集源というのが、メインとなる使い方だと思います。

それと、情報収集で活用はしていますが、最初の入り口ではありません。InstagramやTikTokをチェックして、よりテキストベースの詳細な口コミを見たい時にチェックするというか。口コミサイトと似た感覚で、Xを検索しています。

Z世代は口コミをすごく大事にしています。TikTokのコメント欄も、この商品をどう評価したのかを知る手段としてチェックしているんです。Xも同様で、「みんながこう評価しているから正しい(間違っている)」と判断する材料として見ています。

いいたか:
ニュースサイト的に瞬間的なトレンドをチェックしたり、掲示板を見たりする感覚でXを使っているのですね。平井さんは、SNSをどのように使って使っていますか?

平井:
日常的にTikTokを見て、欲しい物や旅行したい場所をチェックしています。特に旅行の場合、コンテンツのコメント欄を見るとたくさんのユーザーが「ここの航空券安かった!」「ここのホテルおすすめ!」と書き込んでくれています。

その情報を見つつ、Instagramで旅行先の位置情報検索してコンテンツを探したり、Xでレポート投稿を見たりGoogle検索したりします。

長田:
まさに模範的Z世代という感じの使い方ですね(笑)。Z世代は一般人や自分に近い人の情報を、「信ぴょう性が高い」と判断する傾向にあります。KOL(キーオピニオンリーダー)の発信も一定の効果は出るんですが、それよりも「身近な人の声をたくさん聞きたい」という想いの方が強いです。

いいたか:
時代の変化で情報のあり方がどんどん変わる中、「誰の情報を信用するか」という点で、より身近な人にフォーカスされてきたという。見知らぬ人よりよく知る人の意見を信用するという意味では、本来あるべき姿に戻ったと言えるかもしれませんね。コスメの情報を聞くなら、すごく詳しい友人が信頼できる情報源になっているという感じでしょうか。

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長田:
地に足がついて、情報に踊らされないというイメージです。むしろ、案件であることをわかった上であえて踊りにいってやろうという気さえします。

コミュニティへの想いは強いけど、ドライな一面もある

いいたか:
Z世代の購買行動やSNSの活用法が、上の世代とは大きく違うことがよく分かりました。では、購買の「スピード」についてはいかがですか?今の話に逆行するようですが、最近Z世代の瞬間的な購買が増えている気がします。

長田:
確かに、瞬間的な衝動買いは増えている傾向にあります。これもSNSの影響が大きいです。「TikTok売れ」という言葉が示すように、TikTokが浸透してからその傾向が強くなりました。Z世代の子たちは、空気感やホーム感を味わうなど「参加する意識」でものを買っているようなんです。

Z世代のトレンドランキングに2021年・2022年とランクインしている「地球グミ」が代表的だと思います。コロナ禍の影響で、リアルではトレンドを作れないからこそ、つながりを感じるために地球グミを食べようという行動につながっているのかなと。

仮にTikTokやInstagramに投稿しなくても、同じ世代・同じカルチャーを楽しむ人たちが、何を体感しているのかを確かめるために買っているという子もいると思います。そうやって、コミュニケーションのきっかけを探している気がします。

平井:
友人との間で「TikTokであれバズっていたけれど見た?」という話題になるので、そこに少しでも参加したい、自分の感想を言いたいという気持ちは強いかもしれません。

いいたか:
コロナ禍が直撃した世代ならではの、コミュニケーションの形なのかもしれませんね。非常に面白いと思う反面、必ずしもトレンドについて会話できるわけではないじゃないですか。

Z世代の購買行動やSNSでのコミュニケーションには、コミュニティに対する帰属意識の根深さを感じます。

長田:
実際、コミュニティに対する想いが強すぎて、大きなチャレンジができないという子は少なくありません。先日話した大学生は、経験を積むために留学を考えていたけれど、自分だけ違う環境に飛び込んで取り残されるのが怖くて諦めたと話していました。先生たちに話を聞くと、似たような決断をした子は結構多いそうです。

ただ、コミュニティを飛び出してチャレンジしようという子が集まった、「チャレンジ界隈」と呼べるコミュニティも存在します。そのコミュニティとつながるという道も、一応用意されているんです。

いいたか:
一歩踏み出す勇気を持てるかがとても大切なのですね。

平井:
私は大学で教育学部だったのですが、友人の進路は「学校の先生」ばかりで、就職活動をする子はほとんどいなかったんです。就活の情報がほとんど入ってこないので、SNSで就活の情報交換ができるコミュニティを探しに行っていました。

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長田:
LINEのオープンチャットなどを探せばいいという感じで、決して今のコミュニティに絶望してはいないんですよね。

平井:
そうですね。近くに似た境遇の人はいなくても、SNSなどでつながれる時代ですから。

いいたか:
不思議ですね。コミュニティへの想いは強いのに、場合によってはコミュニティ外に行けばいいという楽観的な感情も持っているのか。

長田:
ただ、仮に就活コミュニティに入ったとしても、そこで仲良しの友達を作ろうとはなりません。それよりも、お互いに利益のある話を共有し合うという利便性への意識が高いです。ドライといえばドライかもしれません。全員と仲良くする必要はないよねと考えているので。

ヲタ活のコミュニティも似ています。その日現場に一緒に行ける人がいればいい、すごく仲良しじゃなくてもいいんです。

平井:
友達ではない、という感覚を持っている人は多いと思います。

いいたか:
ドライですね。あくまで共通言語がお互いにあれば、その関係性はOKだと。

長田:
購買行動もそれに似ています。一度試してみればいい。自分に合わなければネタにしたりメルカリで売ればいいみたいな。

トレンドのカギは「コミュニケーション」と「レトロ」

いいたか:
Z世代のトレンドは、どんな起爆剤で生まれるのでしょう?最近はガチャガチャが人気ですよね。

長田:
さまざまな要因があると思います。例えばガチャガチャは、デジタルではないレトロなもの、手間暇をかける体験がZ世代には新鮮なのかなと。SNSに静止画ではなく動画を投稿したいという点も、ガチャガチャは合っているのかなと。

ガチャガチャの楽しみ方も人それぞれです。同じ色のアイテムを揃えたり、ファッションアイテムとして身につけたり、ヲタ活の一環で楽しんだり。ガチャガチャが会話のネタにもなっているんだと思います。「あ、おぱんちゅうさぎだ!」みたいに(笑)。

https://www.instagram.com/opanchu.usagi/

いいたか:
発話のきっかけになっているというのは、ここまでの話にも共通していますね。

長田:
Z世代のコミュニケーションへのモチベーションは本当に高いです。

いいたか:
平井さんの周辺では、どんなものが流行っていますか?

平井:
ガチャガチャももちろんそうですが、最近はデジタルカメラブームが来ています。TikTokでも、「秋葉原の電気屋で売っているデジカメを試してみた」という動画が多いです。

長田:
デジタルカメラブームもレトロ軸のひとつですね。フィルムライクな写真を取るなら、アプリの加工でレトロ風にしても、アウトプットとしては十分通用します。あえて今、荒い画素数でしか撮れない昔のデジカメを持っていることが、おしゃれにつながっているんでしょう。

平井:
一眼レフカメラからチェキになり、今はデジカメにトレンドが移っているという感じです。

いいたか:
次は何が来るのでしょう。ガラケーとか(笑)?

平井:
ガラケー!もし販売されていたら絶対流行ると思います!

より若者が楽しめる時代を作るために大人ができることを

いいたか:
長田さんから見て、Z世代が抱えている「負の部分」はどこにあると思いますか?

長田:
先ほど、コミュニティに遠慮してチャレンジできない子がいると話しました。やはり一番気になるのは、周りの目をすごく気にしているという点です。消費行動はもちろん、仕事でも「ほめられたくない」という話をよく聞くんです。ほめられて目立つことで、他の人にどう思われるかが不安だと。

コミュニティに調和を優先するあまり、行動できずチャレンジを逃してしまう子がたくさんいます。そういう子たちを、なんとか救っていきたいんです。

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いいたか:
どの世代でも、現状の生活を壊すことに不安を覚える人は多い気がします。そうした傾向とは違うのでしょうか?

長田:
少し違うかもしれません。例えば「転職したい」と思った時、コミュニティの多くが同じ想いを抱えていたのなら、転職にも前向きになれるんです。

いいたか:
「私」ではなく、「私達」が考えの中心にあるのですね。

長田:
そうなった背景には、コロナ禍の影響がものすごく大きいと思います。今大学3年生から25歳までの子たちは、高校や大学、会社員時代でコロナ禍を経験しました。

本来この時期であれば、多くの人とつながっていきます。文化祭や卒業旅行など、楽しい思い出を作る時期でもあります。それが全部できなくなり、地元の友人との関係が今も続いている子が非常に多いんです。

最近のアンケートで、この世代はこうした事実に対して、ある種の「諦め」を覚えているということも判明しました。

いいたか:
諦めというと?

長田:
大学2年生以下の世代は、コロナ禍が抜けてオンライン文化祭など新しい楽しみ方を見つけていきました。しかし、大学3年生〜25歳の世代は、緊急事態宣言などで先輩たちが経験していた楽しいイベントを、徹底的に自粛させられていたんです。

この事実に対して、この世代の子たちは「残念だな」という感情と「諦め」の気持ちを両方持っています。

平井:
私はまさにこの世代で、ちょうど大学3年生でコロナ禍が始まりました。大学でできた友人も、コロナ禍で会えなくなったりして。会える友達との関係を大切にする一方、友達の作り方が本当にわからなくなってしまいました。

長田:
高校の先生に聞いた話では、コロナ禍で中止した部活の合宿を、今後も行わないと決定した学校が結構あるそうなんです。先生の人件費といった事情もあると思いますが、大人の事情でコロナ禍での影響は今後も尾を引く可能性が高いんですよね。

いいたか:
それは心配ですね…。SHIBUYA109でZ世代を対象に、文化祭や忘年会をやってみてはどうですか?

長田:
やりたい!!ちょっと企画してみます。でも本当に、そういうイベントを開いたほうがいいなとは思っていたんです。

SHIBUYA109 lab.には、若者のインサイトが多く蓄積されています。それをさまざまな企業に提供して、SHIBUYA109 lab.以外の事業にも活かしていただくことで、より若者が楽しめる空間を増やせると思います。SHIBUYA109エンタテイメントは若者ソリューションカンパニーを目指しています。そこに向けて、どんどんチャレンジをしている段階です。

コロナ禍の影響もそうですが、今の日本は若者がすごく損をしていると感じます。この時代を悪いものと思わないように、若者が損をしない環境を整えるのが、大人の役目だと思うんです。

だから私は、若い世代が未来に希望を持てる社会になるような仕事がしたい。SHIBUYA109を通して、それを実現できれば嬉しいですね。

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飯髙悠太(いいたかゆうた)
ライター:飯髙悠太(いいたかゆうた)
株式会社GiftX Co-Founder
@yutaiitaka
2022年7月に「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftX共同創業。
自著は「僕らはSNSでモノを買う」、「BtoBマーケティングの基礎知識」、「アスリートのためのソーシャルメディア活用術」。
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