【行動経済学入門】セブンヒッツ理論とは?何度も見た商品を購入したくなる消費者心理

テレビCMで目にしたブランドを、Webバナー広告やYouTube広告でも繰り返し目にした経験はありませんか?何度も同じ情報に触れることで記憶に残り、ブランドへの興味が実際に店舗へ足を運ばせることもあります。このように、広告などを通して商品やサービスに7回接触することで、購買行動につながりやすくなる心理を説明したのが「セブンヒッツ理論」です。今回は、セブンヒッツ理論の概要からマーケティングへの活用方法まで詳しく解説します。

目次
セブンヒッツ理論とは?
セブンヒッツ理論とは、消費者がある商品やサービスに7回接触することで、購買行動を起こしやすくなるという心理学的アプローチです。「人は繰り返し情報に触れることで、その存在を認識し、関心や信頼を高めていく」というザイオンス効果(単純接触効果)を基盤にしています。例えば、CMを1〜2回見ただけでは記憶に残りにくくても、7回見ればそのブランドが印象に残るようになります。情報が記憶に定着することで、親近感や興味を覚え、結果として購買意欲を高めるのです。
セブンヒッツ理論から分かる人間心理
このセクションでは、セブンヒッツ理論の定義や研究内容から分かる人間心理を紹介します。これを理解することで、セブンヒッツ理論をマーケティング戦略に活かす際のポイントが分かります。
単純接触回数が多いと好意を持つ
人は、同じ人や物事に繰り返し接触することで、好感を覚える傾向があります。これは「単純接触効果(ザイアンスの法則)」として知られています。広告や情報に何度も触れることで、「よく見かける=信頼できる」と無意識に認識するのです。例えば、同じYouTuberが毎週のように同じコスメブランドを紹介することで、視聴者がそのブランドに親しみを持ち、購入へつながったというケースがあります。
情報の定着と整理
人間の脳は、一度聞いた情報よりも、繰り返し聞いた情報の方を重要だと判断します。セブンヒッツ理論では、情報に7回接触する中で、段階的に「認知→理解→信頼→行動」という流れで消費者の心理が動くとされています。接触回数を重ねることで徐々に情報が整理され、商品やサービスの価値や魅力に気づくことで、購買行動へと結びつくのです。例えば、保険会社のCMが何度もテレビで流れることで、「いつか見直そうと思っていた保険」というテーマが頭に残り、実際に資料請求に踏み切ったというユーザーが増加したケースがあります。
セブンヒッツ理論のマーケティングへの応用

SNSマーケティング
SNSは日常的に利用されるメディアであり、繰り返し接触を設計するのに最適な場です。InstagramやTwitter、TikTokなどで定期的に商品投稿やストーリーを展開することで、自然にフォロワーの目に触れる回数を増やせます。さらに、インフルエンサーとのコラボ投稿やリポストなどを活用することで、別の角度からのアプローチも可能になります。SNSの特徴を活かし、異なるフォーマットやタイミングで発信することで、ユーザーの興味を維持できます。例えば、食品メーカーがInstagramで毎週異なるレシピを紹介し、同じ商品の写真を継続的に投稿することで、購入率を大幅に向上させた例があります。
オンライン広告
ディスプレイ広告やリターゲティング広告は、ユーザーの行動履歴をもとに繰り返し接触を狙うのに効果的です。1回目の広告で商品を知り、2~3回目で詳細を確認、6~7回目で購入を決意するようなパターンも多く見られます。広告の内容も毎回少しずつ変化させることで、「また同じ広告か」と思わせず、新鮮な印象を与えることができます。例えば、家具ECサイトでは、商品ページを見たユーザーに対して、その商品のスタイル別コーディネート画像を数回に分けて配信することで、最終的な購入率が3倍に伸びたケースがあります。
メルマガ配信
メルマガは定期的な接点をつくる強力なツールであり、セブンヒッツ理論と相性の良い施策です。毎週の配信やキャンペーンに合わせたお知らせなど、自然な流れで複数回の接触を図ることが可能です。単なる商品の紹介にとどまらず、活用方法や体験談、レビューなどの情報も織り交ぜることで、ユーザーの興味を継続的に引き出せます。ステップメールを組むことで、初回登録者にも計画的なアプローチが可能です。例えば、ある美容ECサイトでは、美容液の購入者に対し、1週間ごとに役立つ使い方や効果事例をメールで送ることで、再購入率が約40%アップした例があります。
セブンヒッツ理論の活用例

インスタグラムでの視覚的に魅せる投稿
視覚的な印象が強いInstagramでは、商品そのものを直接見せるだけでなく、使用シーンやビフォーアフターの写真などを交えて投稿することで、繰り返し接触しても飽きさせない工夫が可能です。ストーリーズやリールも活用すれば、1日に複数回の接点を自然に作ることもできます。例えば、スキンケアブランドが「朝のケア」「夜のルーティン」「季節ごとのアレンジ」といったテーマで週に数回投稿し、自然に7回以上の接触を設計したことで、フォロワー数と商品の購入率が同時に上昇しました。
頻繁に訪れるサイトでの反復的な広告配信
頻繁に訪れるニュースアプリや動画配信サイトなど、ユーザーが日常的に利用するプラットフォーム上では、行動履歴に基づいたパーソナライズ広告が非常に有効です。例えば、朝の通勤時に見るニュースアプリで、前日に閲覧した商品の別バリエーション広告が表示されると、ユーザーの関心を持続的に刺激できます。こうした広告は、自然な文脈で繰り返し出会う設計となっており、「押し付け感」を与えずに接触回数を増やすことが可能です。特定のカテゴリやブランドに絞った継続的な接触が、信頼感や購買意欲の向上につながります。
メルマガ配信で定期的な新商品情報の提供
メールマガジンは、一方通行になりがちな広告に比べて、読者と中長期的な関係性を築くことができます。特に新商品情報は、毎回内容を変えながら繰り返し届けることで、読者の関心を維持しやすくなります。月1~2回の配信でも、7回に届くまでに段階的な接点を設計することで、セブンヒッツ理論の効果を実現できます。また、メルマガ登録者に限定クーポンや先行情報を提供することで、開封率や購入率の向上も期待できます。例えば、アパレルECサイトが、新作を紹介するメルマガを毎週配信し、7回目に送料無料クーポンを送ったところ、多くの読者が購入に至ったというケースがあります。
セブンヒッツ理論の注意点
時間よりも回数の意識
セブンヒッツ理論では、「どれくらい長く接触するか」よりも「何回接触するか」が重要です。例えば、3分間のプロモーション動画を1回だけ見せるよりも、5秒〜10秒の短い動画を複数回に分けて見せた方が、ブランドが印象に残りやすいのです。ある飲食チェーンでは、従来の長尺テレビCMの代わりに、YouTubeで5秒のバンパー広告を複数回配信したところ、「何度も見た」という印象が強くなり、限定メニューの認知率が向上しました。繰り返し接触することで、受け手の中に自然と「馴染み」が生まれ、親しみやすさや信頼感が形成されるのです。
多様なターゲットの意識
消費者ごとに情報の受け取り方やメディア利用の習慣が異なるため、複数のチャネルを使い分けることが重要です。SNS中心の若年層と、メールやテレビを主に使う中高年層では、同じ情報でも伝わり方が異なります。そのため、ターゲットに応じて接触の方法・タイミング・メッセージ内容を最適化する必要があります。全体として「7回の接触」が達成できればよく、必ずしも同じ媒体である必要はありません。例えば、若年層向けにはSNS広告と動画でアプローチし、中高年層向けには新聞広告と電話フォローを組み合わせて実施したことで、幅広い層から反応を得ることができます。
セブンヒッツ理論のよくある質問(Q&A)
7回という数字に科学的根拠はありますか?
厳密に「7回」という回数に科学的な根拠があるわけではありませんが、心理学や広告業界の経験則に基づき、「複数回の接触が必要」という考えが一般化しています。また、広告効果の研究では、接触回数が3回を超えると効果が顕著になり、7回前後で最大化されることが示されています。
毎回同じ内容を発信しても効果はありますか?
できるだけ内容や表現を変えることが望ましいです。同じ商品でも異なる切り口やシチュエーションを提示することで、飽きずに記憶に残りやすくなります。
ザイオンス効果とセブンヒッツ理論の関係性は?
ザイオンス効果は心理学の理論で、「人は何度も同じ対象に接触することで好意や親近感を持ちやすくなる」という現象を指します。接触回数に明確な上限はありませんが、一般的に7回以上で効果が現れやすいとされ、10回を超えると逆効果になる場合もあります。
セブンヒッツ理論は、ザイオンス効果をマーケティングに応用した理論で、「消費者が同じメッセージに7回接触すると記憶に残り、購買や問い合わせなどの行動につながりやすくなる」と具体的な回数を示しています。
このように、セブンヒッツ理論はザイオンス効果を実践的に応用したマーケティング理論であり、「7回の接触」が消費者の記憶や行動に影響を与える目安として使われています。ザイオンス効果が心理的な好意の形成を説明するのに対し、セブンヒッツ理論はその効果を購買行動に結びつける具体的な戦略指標です。
セブンヒッツ理論とスリーヒッツ理論の違いは何ですか?
セブンヒッツ理論では、商品やサービスの情報に7回接触することで記憶に残り、購買や問い合わせ行動が促進されるとされています。この接触回数は、ブランド認知や信頼構築、購買までの意思決定が長い商品・サービスに適しています。
対してスリーヒッツ理論では、3回の接触で認知・興味・行動喚起が最大化されるとされています。これは消費者の関与度が低い商品や、短期間・低コストで効果を出したい場合に適しています。
このように、両者とも「繰り返し接触が重要」という点は共通ですが、最適な接触回数と目的が異なるため、ターゲットや商材に応じて使い分けることが効果的です。
まとめ
今回の記事では、セブンヒッツ理論の概要からマーケティングへの活用方法まで詳しく解説しました。セブンヒッツ理論は、「7回の接触によって消費者の記憶や感情に影響を与える」というシンプルながら強力なマーケティング理論です。SNS、オンライン広告、メルマガなど多様なチャネルを活用して自然に接点を生み出すことが重要です。単なる回数の達成にとどまらず、表現やタイミング、ターゲットに合わせた工夫によって、より高い効果が期待できます。皆さんも、ぜひセブンヒッツ理論を取り入れたマーケティング戦略を実践してみてください。
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