【2025年最新】Facebook APIとは?機能一覧から導入ステップ、よくある質問まで網羅

企業のSNS運用には、継続的な投稿や分析、顧客対応など多くの工程があります。そこで注目されているのが、Facebookの各種機能を外部から操作できるFacebook APIです。Facebook APIを使用することで、投稿の自動配信、広告運用の最適化、顧客対応の自動化、インサイトデータの取得など、日常業務を大幅に効率化・高度化することが可能です。本記事では、Facebook APIの基礎から導入ステップまでをわかりやすく解説します。
目次
Facebook APIとは?
Facebook APIとは、Facebookが提供する開発者向けの機能で、Facebook上の投稿・コメント・広告・ユーザー情報などに外部アプリケーションからアクセスできる仕組みです。APIとは「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェア同士が連携・通信するための“窓口”のようなものです。企業のSNS運用においては、日々の投稿管理、広告の最適化、顧客とのメッセージ対応などを自動化できるため、人的リソースの節約と運用の効率化に大きく貢献します。
Graph APIの概要とできること
Facebook APIの中核となるGraph APIは、Facebookの主要データを一元的に操作・取得できるインターフェースです。「ノード」と呼ばれる各種オブジェクト(ページ、投稿、ユーザーなど)と、それらをつなぐ「エッジ(関係性)」によって構成されています。
企業がGraph APIを使うと、以下のようなことが可能になります。
- 自社ページの投稿一覧を自動で取得・分析
- 指定した日時に投稿を予約・公開(自動投稿)
- 投稿に付いたコメントやリアクションをリアルタイムで取得
- ユーザーとのMessenger履歴を取得し、顧客対応の履歴管理に活用
- フォロワーの属性や投稿の反応率を分析してマーケティングに活用
APIはコードベースで操作されるため、非開発者にはややハードルが高い面もありますが、既存の運用ツールとの連携やエンジニアのサポートによって、現場でも十分に活用可能です。
Facebook API導入のメリット
Facebook APIを導入することで、投稿の自動化や広告運用の最適化、顧客対応の効率化が実現できます。これにより、SNS運用の負担を軽減しながら、より効果的なマーケティング施策が可能になります。
運用自動化による生産性向上
企業のSNS運用では、日々の投稿、コメント管理、スパム対応、返信、レポーティングなど多くのタスクが発生します。Facebook APIを活用することで、これらの業務を自動化でき、マーケティング担当者が本来注力すべき施策や戦略立案に集中できます。例えば、毎週定型のキャンペーン投稿を行っている企業であれば、スプレッドシートとAPIの併用でスケジュール投稿が可能です。
アクセス解析/インサイト取得
Facebookには「インサイト」と呼ばれる詳細な分析データがあります。これには、投稿ごとのリーチ、クリック数、エンゲージメント(いいね・シェア・コメント)などが含まれます。Graph APIを通じてこれらのインサイトデータを取得することで、複数の投稿データを一括分析したり、自社で構築したBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)に連携して可視化したりできます。EXCELへの自動出力も可能なため、週次や月次レポート作成業務も自動化できます。
マーケティングや顧客対応の高度化
Facebook APIは、単なる投稿の取得・作成だけでなく、ユーザーとの対話を通じた顧客体験の向上にも寄与します。例えば、Messenger APIを使えば、チャットボットを通じた即時対応が可能になります。さらに、CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールと連携することで、過去の購入履歴や問い合わせ履歴に基づいたパーソナライズ対応ができ、更なる購買率の向上にもつながります。
Facebook APIの主な種類と用途
Facebook APIには、機能別に複数のAPIが用意されており、用途に応じた適切な選択が重要です。

コンテンツ管理系API:Pages API
Pages API(Feed エッジを含む):ページのタイムライン投稿(/{page-id}/feed)を取得・作成・削除できる。日々の投稿運用や管理ツールと連携する際に利用。
動画配信系API:Video & Live Video API
- Video API:事前収録した動画をFacebookにアップロード・投稿。
- Live Video API:ライブ配信の予約・開始・停止、コメント取得などが可能。ライブコマースやイベント配信の自動化に役立つ。
広告運用系API:Marketing API(Ads API)
- Marketing API(旧Ads API):Facebook広告の作成、ターゲティング、キャンペーン管理、広告レポートの取得が可能。広告運用自体を自動化したり、複数の広告アカウントを横断管理することができる。
認証・連携系API:Login API / Messenger API / Places API
- Login API:Facebookアカウントを使って他のアプリやサービスにログインする仕組み(OAuth認証)。
- Messenger API:Facebookメッセンジャーでのチャット自動化やユーザー対応履歴の取得に使用。
- (提供終了)Place Search エンドポイントは:2020 年 8 月に廃止済み。現在は Pages Search などで位置情報付きページを代替取得する方法が案内されている。
Facebook API導入のステップ
このセクションでは、Facebook APIを実際に使用するためのプロセスを解説します。

Facebook for Developersに登録
まず、Metaの開発者向けサイト「Facebook for Developers」にアクセスし、開発者アカウントを作成します。このアカウントはAPI開発の基盤であり、アプリの作成や権限申請などすべての作業の起点になります。
必要なAPI権限を申請する
APIによっては、Facebookに事前の権限申請が必要です。たとえば、ユーザーの名前やプロフィール写真などの基本情報にアクセスしたい場合や、Facebookページへの投稿を外部から作成したい場合には、それぞれ専用の利用申請と審査プロセスを経る必要があります。
アクセストークンを取得する
アクセストークンとは、特定のユーザーまたはアプリがAPIにアクセスするための認証キーのようなものです。有効期限付きで発行され、アクセス権限も含んでいます。トークンの管理はセキュリティ上非常に重要で、定期更新の仕組みや保管方法を確実に設計する必要があります。
Graph API ExplorerやSDKで動作確認
Facebookは開発者のために「Graph API Explorer」というWebツールを提供しています。これにより、アクセストークンを使ったテストが可能で、実際のデータ取得・投稿がブラウザ上でシミュレーションできます。また、SDK(ソフトウェア開発キット)も用意されており、JavaScript、PHP、Pythonなど主要言語での開発がスムーズになります。
Facebook API開発の注意点
Facebook APIを活用することで多くのメリットが得られますが、一方で開発や運用にはいくつかの注意点があります。
レート制限(APIコール数)に注意
Facebook APIにはレート制限が設けられており、一定時間内に送れるリクエスト数に上限があります。制限を超えると一時的にAPIが利用できなくなるため、大量処理を行う場合はアクセス頻度やタイミングの調整が不可欠です。
アクセストークンの管理と更新
アクセストークンは定期的に更新が必要です。短期トークンは 約 1〜2 時間で失効し、長期トークンは最大 60 日間(ページ トークンは「Expires: Never」となる場合あり)で失効します。トークン更新を自動化するスクリプトを組むのが一般的です。
APIのバージョンアップと非推奨機能
Facebookは半年に一度、新しいAPIバージョンをリリースします。古いバージョンは非推奨(Deprecated)となるため、定期的なバージョン確認とコードのメンテナンスが必要です。API更新履歴は開発者ドキュメントで随時確認できます。
個人情報・プライバシー規制への対応
APIで取得したユーザーデータには、GDPR(EU一般データ保護規則)や日本の個人情報保護法などが適用されます。ユーザーの同意取得、データの保管・利用方針の明示、削除対応の整備が求められます。
Facebook APIに関するよくある質問
Facebook APIは多機能で便利な反面、初めて使う方には疑問や不安も多いものです。このセクションでは、Facebook APIに関するよくある質問とその回答をまとめました。
スマホだけで使えますか?
APIの設定や開発は基本的にPC環境が推奨されます。スマートフォンだけでは開発者ツールへのアクセスや権限申請が難しいため、本格的な活用にはPCを利用しましょう。
無料で使えますか?
APIそのものの利用料金は無料です。ただし、開発や運用にかかる人件費、サーバー費用、セキュリティ対策などの間接コストは考慮すべきです。外注する場合はその費用も見積りに入れる必要があります。
新バージョンへの移行は難しいですか?
FacebookはAPIバージョン更新時に互換性情報や変更点を丁寧に提示しています。基本的なコード修正で済むことが多いですが、大幅な仕様変更時には注意が必要です。
非開発者でも使えますか?
基本的に開発者向けですが、APIを組み込んだマーケティングツールやSNS管理プラットフォームを活用すれば、ノーコードでの利用も可能です。社内にエンジニアがいない場合は、外部ベンダーとの連携も検討しましょう。
まとめ
今回の記事では、Facebook API の概要から用途、導入ステップ、使用時の注意点まで詳しく解説しました。Facebook APIの使用により、SNS運用の自動化・効率化・高度化を同時に達成することができます。特に、投稿管理や広告運用、ユーザー対応、データ分析を一元化し、マーケティングの生産性を飛躍的に高めることが可能です。導入には一定の開発知識や設計が必要ですが、その分得られるメリットも大きく、今後のSNS戦略において不可欠な存在となるでしょう。まずは小規模なデータ取得から始め、段階的に自社の運用に組み込んでいくのがおすすめです。