マーケティングコラム

運用型広告の未来 -ネット面を越えて

2021.05.10Column
運用型広告の未来 -ネット面を越えて

2020年、国内で発生した全広告費の1/3がインターネット広告 費に投じられました。

これはマス4媒体の合計に匹敵する規模でした。そのインターネット広告の市場成長を牽引するのが、運用型広告です。

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本稿では、「Webサイトやアプリ、メールなどのインターネットを利用した広告・マーケティング活動のうち、インターネット上のメディア(媒体社)によって用意された有償の広告枠に掲出されるもの」としているJIAAの定義を前提とします。

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しかし「運用型」という概念が、近年ではインターネット上の広告に留まるものではなくなっていることをご存じでしょうか。
本稿では運用型広告のプロフェッショナルとして、インターネット広告「以外」の運用型広告の紹介をさせて頂きます。
マーケター、経営者の皆様が自社事業にあった最適な広告出稿を検討する一助になれば幸いです。

【この記事の内容】
1.広告の運用とは何か?
2.非インターネットの運用型広告
└2-1.テレビCM(ラクスルの事例)
└2-2.野外広告(ライブボードの事例)
└2-3.音声広告(Spotifyの事例)
3.まとめ

1.広告の運用とは何か?

「運用」とは、元々「ものをうまく働かせる」ことを意味する語です。
広告においては、インプレッション、クリックなどの短いスパンで更新される定量指標による支援を受け、広告枠・入札額・ターゲット・クリエイティブなどを変動する行動を指すことが多いです。
その流れから、WEBサイトの広告枠へのリアルタイム買い付けを行い、広告表示1回、クリック1回といった単位での入札結果を可視化されるトレーディング技術を用い、ネットメディア面に出稿する広告が一般的に「運用型広告」と定義されています。
しかしトレーディングはあくまで用いられる技術であり、「指標を元に広告を変動させる意思決定」こそが「広告運用」であると言えます。
そこで以降では、ネットメディア面を飛び出して行われている「広告運用」の事例をご案内させて頂きます。

2.非インターネットの運用型広告事例

2-1.テレビCM(ラクスルの事例)

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ラクスルはデータを元にテレビCMを複数パターン制作・配信し、エリアごとのCV・CPAまで可視化する「運用型テレビCM」という概念を生み出しました。
まだ広くは認知されていませんが、実は現在一部テレビ局のCM枠は「15秒1本単位」から買い付けが可能 となっています。この仕組みにより、広告主は「タイミング」「金額」「ターゲティング(番組)」を投資対効果が最大となるように組み合わせてテレビCMを展開できるようになりました。
ラクスルはこのTV環境の変化をいち早くキャッチし、独自の広告手法と効果測定ツールの活用によって上述の投資対効果の最適化を行う「運用型広告代理店」事業を展開しています。

2-2.野外広告(ライブボードの事例)

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NTTドコモと電通の合弁会社であるOOH広告に特化した広告会社のLIVE BOARDは、AI解析を使って人々の顔の向きを分析し、デジタルサイネージのインプレッションを計測する実証実験を開始しています。
デジタルサイネージ横に設置したカメラでデータを収集するというものですが、そのカメラの映像をAI(富士通製)が個人を特定しない形で骨格や顔の向きを捉えていわゆるオーディエンスデータ化しているのです。
個人を特定しないかたちでデータを収集し、広告配信に活用するという一連の動きは、まさにこれまでインターネット広告運用の世界で繰り広げられてきたものです。

2-3.音声広告(Spotifyの事例)

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音楽ストリーミングサービスSpotifyの収益の柱が広告であることは、今や広く知られているのではないでしょうか?

Spotifyはオーディオを通じて、「ビューアビリティ+シェアオブボイス」という広告コミュニケーションを提供しています。
完全視聴(完全聴講)のみをインプレッションとしてカウントする仕様となっており、広告主は「広告をきちんと見られている」「広告の発信がきちんと聞かれている」という粒度での計測が可能です。
ディスプレイや動画の広告においてビューアブル指標での計測が重要視されつつありますが、音声の世界で「リスティナブル」計測を元にした広告PDCAが回されるのが当たり前となるのも遠くない未来の話かもしれません。

3.まとめ

今後、「運用型広告」はネットメディア面への出稿に留まらず、技術の発展と考え方そのものの進歩により全ての広告に適用される概念へと変化していくと考えます。
今日時点でも既に「定量指標を元にした効果判断のできる広告出稿」=「ネットメディア面への出稿」という一択ではなくなっています。
効果に細心の注意を払って展開する広告だからこそ、トレーディング技術が用いられる広告をネット面に配信することを前提としてしまわず、「ものをうまく働かせる」という運用の本来の意味に立ち返った思考と意思決定が求められるのではないかと思います。

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GMO NIKKOでは「全社プランニング思考」というテーマを掲げ、お客様にとって価値ある広告コミュニケーションを媒体選定からお手伝いします。

現在実施中のネット広告媒体の効果改善はもちろん、一歩進んだ施策のヒントをお探しの際にはぜひ一度ご相談ください。

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TRUE MARKETING編集部
ライター:TRUE MARKETING編集部
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