マーケティングコラム

アフィリエイト広告とは?仕組みと特徴から成功ポイントまで

2022.10.31Column
アフィリエイト広告とは?仕組みと特徴から成功ポイントまで

消費者庁が、「アフィリエイト広告等に関する検討会」を2021年6月から2022年1月の間に全部で6回にわたり開催されました。更にその後、「景品表示法検討会」が、2022年3月から10月上旬の間に全部で7回にわたり開催されています。

法律変更を検討することの元になっているアフィリエイト広告とは、そもそも一体どういったものなのでしょうか。今回は、アフィリエイト広告に関して、基本から実施方法や注意点、広告運用を成功させるためのポイントまでお伝えしていきたいと思います。

【目次】{表示}


1.アフィリエイト広告とは?



まずはじめに、アフィリエイト広告とは、なんでしょうか?

アフィリエイト広告とは、成果報酬型の広告です。広告を掲載するだけでは料金は発生せず、あらかじめ設定した成果地点(※)までユーザーがたどりついてはじめて広告料金が発生します。
※成果地点:会員登録、資料請求、商品購入など

インターネット上(ウェブサイト)に掲載される広告のため、インターネット広告の1つになるはずです。
ただし、少し変わった位置づけとなっており、例えば、弊社も入会する「一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)」では、インターネット広告に含んでおりません。
※参考:JIAAについて

また弊社も取得している「JICDAQ」の「ブランドセーフティ認証」の対象にも、アフィリエイト広告は含まれておりません。
(こちらは、JICDAQ認証取得時に、運営元にお聞きしております)

アフィリエイト広告とは?


2.アフィリエイト広告の仕組み



次に、アフィリエイト広告の仕組みをみていきます。

大きくは次のような流れとなっています。
①広告出稿

②広告配信

③広告掲載

④成果発生

⑤広告料金発生(広告掲載側には、報酬発生)

アフィリエイト広告の仕組み

①広告出稿
広告主(代理店を経由する場合もあり)が、成果条件(成果地点、掲載媒体、成果単価など)を決定し、ASPに広告を出稿

②広告配信
ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)が、広告主からの依頼内容をもとに広告設定の上、管理画面上で媒体に対して広告案件の案内をします。

③広告掲載
媒体(アフィリエイターなど)が、自分のサイトにあった案件を掲載し、ユーザーに紹介します。

④成果発生
ユーザーが広告掲載媒体を訪れ、広告をクリックし、成果地点まで辿り着けば成果発生

⑤広告料金発生(広告掲載側には、報酬発生)
広告主が、月毎に発生したCV分の広告料金を支払い


3.アフィリエイト広告を行うメリット・デメリット



次に、アフィリエイト広告を実施するメリットとデメリットをみていきましょう。

▼メリット
 1費用対効果が高い
  成果につながらないユーザーに対しては、広告費用が発生しないので費用対効果が高いです。
  またユーザーが成果地点までいかない場合でも(無料で)認知はしっかり広がっていきます。
  これによりオーガニックが増加したり、来店が増えたりといったことも見込めます。

 2予算管理がしやすい
  成果地点と成果金額を広告主があらかじめ決定し掲載できるため、CPAを合わせやすいです。
  更に成果上限なども設定できる場合も多いので、予算の管理がしやすいです。
  
 3多彩な訴求方法で露出拡大
  広告主が用意したバナーなどの広告原稿を掲載するだけではなく、
  アフィリエイトサイト側で作成した、紹介文章の中に広告が掲載されるため表現が多彩です。
  そのため運用になれた媒体(アフィリエイター含む)の場合、高いCVRも見込めます。

アフィリエイト広告を行うメリット

▼デメリット
 1広告掲載される保証がない
  基本的に指定した媒体に広告が掲載されるわけではありません。
  このため、掲載媒体数が少なかったり、掲載したい媒体に掲載されないこともおおいに起こりえるでしょう。
  特に、成果単価が低い、成果地点のハードルが高いなどの場合は、
  媒体から掲載をさけられることにつながり、そのあたりの設計が広告を成功に導くポイントの1つとなります。

 2ASP利用料など固定費が発生する場合が多い
  ASP毎に、初期費用、月額固定費が発生します。
  アフィリエイト広告の成果数に関係なく固定費が発生する点は注意したいです。
  最低契約期間にも注意して、どこのASPで実施するのがよいのかを考慮して進めていきましょう。

 3掲載したくないようページに広告載される可能性がある
  掲載媒体の幅が広い(法人媒体から個人ブログまで)ので、自社イメージに合わない媒体に掲載される可能性があります。
  広告配信ジャンルの設定や、掲載媒体審査、広告掲載後の掲載面のチェックなどを行って
  自社ブランドを毀損することがないように運用していきましょう。

アフィリエイト広告のデメリット


4.アフィリエイト広告の表示形式



また、広告の表示形式、つまり広告原稿の種類は、大きく2種類あります。

①バナー原稿
 WEBページ上に、バナー原稿となる画像を掲載し、ユーザーに広告主様の商品やサービスを紹介します。

②テキスト原稿
 WEBページ内で、広告主様の商品やサービスなどを紹介する記事などを書き、その文章内のテキストに広告リンクを設定したりするなどして、ユーザーに紹介します。
 ※広告主様が指定した文言のみ原稿として利用可能な場合と、アフィリエイターなど媒体側で自由に設定できる場合がございます。


5.アフィリエイト広告の掲載サイト



続いて、アフィリエイト広告の掲載媒体を種類別にいくつかご紹介いたします。

専門業種サイト

■専門業種サイト
各業種の専門サイトです。
カードモール、美容系サイト、暗号通貨関連サイトなど、いろんな業種のサイトがあります。自社の商品やサービスの専門サイトがある場合は、ぜひ広告掲載したいものです。

ランキングサイト

■ランキングサイト・比較サイト
商品やサービスをランキング形式で紹介しているサイトです。
広告を掲載してもらえる可能性が高いですが、もちろんユーザーからは競合のサービスなどと比較されてしまいます。
また条件によって特別な掲載枠へ広告が掲載されたりもするため、条件によってはユーザーからは良く見える場合もあれば、悪く見える場合もあります。

SEOサイト

■SEOサイト
検索結果上位を目指して作られたサイトです。
広告主の商品やサービスにマッチしたキーワードで、検索結果上位にあがっているようなサイトに、広告が掲載されれば、おのずと成果も多く発生するので、掲載媒体として人気が高いです。

ブログ

■個人ブログ
誰でも手軽にはじめやすいブログ(日記や趣味のサイトなど)記事です。
ご利用のブログサービスにもよりますが、ブログ記事に広告をはって紹介することが可能です。

ポイントサイト

■ポイントサイト
ポイントサイトは、アフィリエイト広告の成果地点を満たすことでポイントがもらえるサイトです。普段の生活でためているポイントに交換することもできます。ただしユーザーは、ポイント目的でアクション(商品購入、会員登録、資料請求など)するため、広告主からすると、獲得ユーザーの質が低くなる場合も多いです。


6.ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)とは?



次に、ASPとは何でしょうか?
Affiliate Service Provider(アフィリエイトサービスプロバイダ)を、通称、略してASPと呼んでいます。
アフィリエイトの掲載媒体を束ねており、アフィリエイト広告を実施したい広告主と、媒体とをつなぐ役割を担っています。
ASPにアフィリエイト広告を出稿すれば、多くの媒体に広告の案内がなされ、広告掲載がされるようになります。

※前述の「2.アフィリエイト広告の仕組み」にある図も改めてご参照いただければと思います。


7.主要ASP



続いて、いくつかASPを簡単にみていきたいと思います。

■A8(ファンコミュニケーションズ社が運営)
2005年にASPを営む企業として初めて株式上場を果たしています。
登録サイト数が310万以上もあり日本最大級です。
EC、金融、就職・転職、などの案件の取り扱いが多いです。

■バリューコマース(バリューコマース社が運営)
Zホールディングスのグループ企業が運営しています。
国内初のアフィリエイトASPです。
ECの流通拡大に貢献することをミッションにされています。
金融分野、家電、EC、旅行などの取扱いが多いです。

■JANET(アドウェイズ社が運営)
金融系、会員獲得系などの案件の取り扱いが多いです。
エンタメ系の案件も増加中のようです。

■アクセストレード(インタースペース社が運営)
「Eコマース」「サービス」「金融・保険」「エンタメ」「その他」の5つに分類されています。
通常のアフィリエイト広告の他に、携帯電話販売店舗などのリアル店舗での成果報酬型プロモーションサービスも提供されています。

■リンクシェア(リンクシェア・ジャパン社が運営)
楽天グループの企業が運営しています。
基本的には独占契約とされており、他ASPとの併用が出来ない形になっています。
また代理店経由での掲載もほとんどないようです。
金融系の案件が得意なようです。
  
■AD.TRACK(セレス社が運営)
大手ポイントサイト「モッピー」を運営している会社がやっているクローズドASPです。

■成果報酬110番(ノーマーク社が運営)
ポイントサイトの運用が得意なASPです。

■affitown(GMOメディア社が運営)
GMOインターネットグループの企業が運営するクローズドASPです。
自社が運営するポイントサイト「ポイントタウン」をはじめ多彩な媒体での広告掲載や施策を実施しています。


8.アフィリエイト広告の実施が多い業種



次に、アフィリエイト広告を実施している企業が多い業種を一部ご紹介します。

EC(コスメ・化粧品)

化粧品系は、多くの会社がアフィリエイトの出稿をしています。

EC(健康食品・サプリ)

健康食品やサプリメントの販売にもアフィリエイト広告が盛んに実施されています。

EC(その他)

その他EC全般でいろいろとアフィリエイト広告が出稿されています。

金融(クレカ、カードローン、株・FX)

クレジットカードの発行、カードローン、株の口座開設などでも積極的にアフィリエイト広告が実施されています。

不動産(不動産投資、リフォームなど)

不動産においては、投資やリフォームで、資料請求や相談会などへの応募を行うことがあります。

電子コンテンツ(電子書籍、月額会員、VODなど)

月額課金系のサービスは昔からよくアフィリエイト出稿されています。
電子書籍や、NetflixなどのVODと呼ばれるジャンルでも多く実施されています。

人材・転職

人材派遣や転職サービスなどでも無料会員登録といった形でアフィリエイトを実施するケースが多いです。

エステ・脱毛

エステや脱毛でも、来店や、契約完了を成果地点としてアフィリエイト広告の出稿がされています。

通信教育、資格取得

通信教育や資格取得においては、昔から資料請求を成果地点として実施されることが多いです。

ホテル・旅行

旅行関連では、ツアーや宿泊、チケットなどの予約申し込みを成果地点として、アフィリエイト広告を実施されています。


9.アフィリエイト広告を成功させるために



それでは、このようなアフィリエイト広告は、どうすればうまく実施できるのでしょうか。
成功させる為のポイントはいろいろあると思いますが、以下の5つに絞ってご紹介したいと思います。
①競合調査
②掲載条件の設計
③自社案件にあったASPの選定
④自社にあった掲載媒体のリクルーティング
⑤掲載面のチェック

①競合調査
同業他社が、どのような成果地点や単価でアフィリエイト広告を実施しているのかをまずは調べましょう。
※同業他社が実施していない場合は、類似業種の企業の内容をみてみましょう。

②掲載条件の設計
競合がどのような条件で広告出稿しているかがわかったら、次は自社の広告実施条件を考えてみましょう。
自社と他社とでは、いろんな環境が異なります。よって競合他社と同じように広告出稿(運用)を実施したところで、同じ成果に繋がるとは限りません。
例えば、競合よりサービス面で劣っているので単価は高くしておこうや、人気のキャンペーンを併用しているので広告条件はよくしなくても大丈夫だろう、などといろんな形があるはずです。。
自社の目標(KPI)にも合わせて最適な設計をしていきたいです。

③ASPの選定
広告実施条件が決まったら、次はどこのASPで配信するかを決めましょう。
ASPの数は大手から規模が小さいものまで合わせると、昔から常時100以上あると言われています。
そしてASPごとに特徴があるので、自社にあったASPの選定をし、自社広告にあった媒体に多く掲載してもらえるようにしていきたいです。

④自社にあった掲載媒体のリクルーティング
自社サービスや商品に強いASPで配信が出来たら、さらに自社サービスにマッチしたユーザーが集まるような媒体のリクルーティングを強化していきましょう。
例えば、自社サービスや商品に関連するキーワードの検索結果上位の媒体が広告掲載していれば、自社の広告を掲載してもらえるようにアプローチしてみましょう。

⑤掲載面のチェック
自社サービス・商品にあった多くの媒体に広告掲載をしてもらえれば、獲得件数も増加していくでしょう。
ここで忘れていけないのは、広告掲載面のチェックです。
どんなに獲得がとれても、自社にとって不適切な表現で広告掲載されているとブランド毀損につながってしまいます。
場合によっては、景品表示法、特定商取引法などの法律違反となってしまっていることもありますのでしっかりと確認していくのがいいでしょう。

アフィリエイト広告の成功ポイント


10.法令遵守


さて、上記のようなポイントをおさえたとしても広告掲載を法律にのっとった形で実施できていないと意味がありません。
成功のポイントの一つにもあった掲載面のチェックもそうですが、LPや広告原稿の内容チェックなどからしっかりやっていかないといけません。

また、ここ数年、ECの伸びとともにネット広告によるトラブルも増加しています。
それにあわせて消費者庁が中心となって、アフィリエイト広告などの検討会、景品表示法検討会などを実施しています。

万が一、法律を遵守できていない場合、広告停止、罰則などの思わぬ事態をまねいてしまうことにもなりかせません。
そうならないように、景品表示法や特定商取引法、薬機法などに遵守して広告掲載できる体制を整えましょう。

弊社では、広告表現や広告掲載面をチェックするサービスもご提供しております。
ご興味ある方は、以下もご覧ください。
Ad Safety byGMO


11.ブランドセーフティ



法律遵守はもちろんですが、さらにいうと広告主様にとってふさわしくない掲載面への広告掲載は防ぎたいものです。
ただしアフィリエイト広告の仕組み上、どうしても全ての掲載面を管理することは簡単ではないため、実際にはそのあたりをコントロールするのは難しいです。

ASPが媒体をまとめているので、ASPの管理画面をみれば全ての広告掲載面がわかるような気がします。
実際にはASPに登録されている媒体のURLは、媒体のTOPページなどになるため、各広告が掲載されているURLは探さないとわかりません。
よって、全ての広告掲載ページ(掲載URL)を把握することは、なかなか困難となります。
 
弊社では、アフィリエイト広告の管理ツール「TRUEアフィリエイト」を提供しています。
そのツールには、特許も取得している「ブランドセーフティ機能」があります。
この機能を使うことで、広告掲載しているページの把握が容易にできます。
さらに、不適切なサイトへの掲載、表現、画像などがあった場合に、NGアラートをだしたり、自動で広告の非表示や、広告リンクを停止したりすることも可能です。

ご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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(広告掲載しているページを自動取得し、ブランドセーフティを実現します)


まとめ


いかがでしたでしょうか?
今回は、アフィリエイト広告に関して、
1.アフィリエイト広告とは?
2.アフィリエイト広告の仕組み
3.アフィリエイト広告を行うメリット・デメリット
4.アフィリエイト広告の表示形式
5.アフィリエイト広告の掲載サイト
6.ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)とは?
7.主要ASP
8.アフィリエイト広告の実施が多い業種
9.アフィリエイト広告を成功させるために
10.法律遵守
11.ブランドセーフティ
といった内容をみてもらいました。

本記事が、少しでも、皆さまのアフィリエイト広告運用の成功につながりますと幸いです。

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ライター:叶井 裕之(かない ひろゆき)
2014年にGMOインターネットグループへ。アフィリエイト広告のセールス・コンサル、アライアンス等を経て、現在は、事業・業務改善などの企画・構築、DX人材育成関連の企画・構築、slack社内活用推進などに励む。2022年G検定取得。
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