授業のノートはスマホ撮影、先生はAI?学生の半数以上が学習にAIを活用 ~Z世代の学習スタイルに関する調査~

SNSや動画が必須ツールとなっているZ世代で、学びのスタイルはどのように変化しているのか?
GMO NIKKO「Z世代トレンドラボ」の高校生・大学生986名を対象に行った最新アンケートから、変化する学習スタイルの核心に迫ります。
学習の必須ツールになりつつあるAI
大学生の6割強、高校生も半数以上が普段の勉強でAIを活用していました。
高校生は女子が6割を超えているのに対して男子は5割以下と、活用率に差が生じています。
Z世代トレンドラボの高校生メンバーに具体的な活用方法を聞いたところ、「わからない部分をわかりやすく解説してもらう」パーソナルな教師として活用をしているという声が多くみられました。また「それを教科書や参考書を使って自力でやると数十分~1時間くらいかかるものがAIだとあっという間」と時短に大きなメリットを感じているメンバーもいました。
板書をスマホで手軽に撮影&共有する大学生
大学生の半数は授業の板書をスマホで撮影、また3割を超える人がその写真を気軽に友達に共有するという新しい代返スタイルともいえる行動が見えてきました。
高校生は、授業中のスマホ使用を禁じている学校もまだ多いことが影響してか、板書のスマホ撮影率は3割強にとどまりました。ただ、最近は授業中は先生の話を聞いて理解することに集中してもらうため、あえて板書のスマホ撮影を許可している高校もあるようです。
動画サイトは学習のマストツール
高校生、大学生ともに普段の勉強にYoutubeを活用している人が半数を超える結果となりました。
前出のZ世代トレンドラボ高校生メンバーによると「圧倒的なわかりやすさ」が最大のメリットのようで、登録者数が200万人を超える人気授業チャンネルも存在します。
他を圧倒するYoutubeですが、最近は女子高校生を中心にInstagramやTikTok(のショート動画)を効率的な学習コンテンツとして活用する兆しもみられます。
最後に
Z世代にとって、AI・SNS・動画はもはや“補助”ではなく、学習の中心的なツールとなりつつあります。特にAIの活用は「効率的に・自分のペースで学びたい」という価値観と合致し、日常的に取り入れられている様子が明らかになりました。
こうした状況を踏まえ、教育現場においても、一人ひとりの理解度に合わせてAIを活用し、学習内容を調整するアダプティブラーニング(※1)の提供、板書のデジタルコンテンツ化など、デジタルネイティブ世代の学習スタイルを前提とした「アップデート可能な学びのデザイン」が求められると考えられます。
(※1)学習者一人ひとりに最適化された学習内容を提供することで、より効率的・効果的な学びを実現する学習方法。

- ライター:神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
- TRUE MARKETING副編集長
Z世代トレンドラボ主任研究員
ストラテジックプランナー、リサーチャーとしてWebプロモーションの戦略立案、各種リサーチなどを担当。
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