誰にも言えない悩みはチャッピーに打ち明ける ~女子高校生にとって生成AIは「秘密の友達」~
2025年新語・流行語大賞に「チャッピー」がノミネートされました。そこには、Z世代で生成AIは「勉強・作業の効率化」だけでなく、悩み相談の相手としても存在感を増しているという背景があります。今回、GMO NIKKO「Z世代トレンドラボ byGMO」が実施した調査結果から、Z世代、特に女子高校生における生成AIの利用実態を読み解きます。
女子高校生の半数以上が、生成AIに「自分の悩み」を相談している

生成AIに悩みを「相談している」割合は、女子高校生で54%。男子高校生や大学生と比べて13〜20pt高く、彼女たちにとって生成AIが相談先としてあたりまえの選択肢となっていることがみてとれます。
その6割は「誰にも言えない」悩みの相談

生成AIに悩みを相談する女子高校生のうち、57%が「誰にも言えない悩み」を相談した経験があると回答しました。男子高校生は26%、女子大学生は42%、男子大学生は24%で、ここでも女子高校生が抜けています。ココで注目したいのは、単なる「悩み相談」ではなく、“言えない悩み”の受け皿になっている点です。
では彼女たちにとって生成AIはどんな存在なのでしょうか?
女子高校生にとって生成AIは「秘密の友達」

あなたにとって悩み相談時の生成AIは?という問いに対して、女子高校生で最も多かった回答は「秘密の友達(39%)」でした。一方、同設問を他セグメントで見ると、例えば男子大学生は「秘密の友達」26%に対し「ひたすらの聞き役」35%と、“友達”よりも“聞き役”が強い構図も見られます。
この差は、生成AIに対して「関係性(友達)」を投影するのか、「機能」として捉えるのかという、心理的距離感の違いを示している可能性があります。
相談内容は勉強から恋愛まで

女子高校生の相談内容をみると、「学校・進路」から、内面(性格)、恋愛まで幅広い結果となりました。
注目は、学習支援文脈に収まらず、自己理解・対人関係の領域にまで生成AIが入り込んでいる点です。マーケティング視点では、Z世代向けコミュニケーションにおいて「生成AI=効率化」だけを前提に設計すると、実態とのギャップが生まれうることが示唆されます。
最後に
ここまでの結果から、女子高校生における生成AIは、検索代替や作業効率化ツールとしてだけではなく、関係性のメディアとして扱われていることが見えてきます。
Z世代向けのプロダクト/コミュニケーション設計において、生成AIは「効率化装置」としてだけではなく、情緒的な部分まで踏み込む会話メディアとして位置づけ直すことが重要になっていくはずです。

- ライター:神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
- TRUE MARKETING副編集長
Z世代トレンドラボ主任研究員
ストラテジックプランナー、リサーチャーとしてWebプロモーションの戦略立案、各種リサーチなどを担当。
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