Z世代消費インサイトWeekly調査 <第10回 引越し編>
GMO NIKKOの「Z世代トレンドラボ byGMO」がお届けする連載企画「Z世代消費インサイトWeekly調査」では、Z世代の消費意識をテーマごとにひもときながら、高校生・大学生・社会人の違いまで掘り下げて紹介しています。第10回のテーマは「引越し」です。
進学、就職、一人暮らしの開始など、Z世代にとって引越しは生活の節目と直結するテーマです。今回は、16~28歳の男女500名を対象に実施したインターネット調査をもとに、引越しサービスの探し方から、選ぶときの重視点、理想の部屋や街の条件までを見ていきます。
「引越サービス」の情報検索手段

引越サービスの情報収集では、全体として「引越会社の公式サイト・アプリ」「引越料金の比較・一括見積サイト」「GoogleやYahoo!の検索結果」といった定番のデジタル接点が上位に並びました。
層別に見ると、大学生は情報収集において検索と人づての両方を積極的に使い分けている様子が見て取れます。さらに、比較サイト、口コミ、YouTube、生成AIなども相対的に幅広く使っており、大学生は“ひとつの手段に絞る”というより、“複数チャネルを横断して確かめる”タイプだといえそうです。
高校生は、検索結果や家族からの情報に加えて、TikTok投稿や引越会社の公式TikTokなどSNS系の接点が他層より目立ちました。
社会人は公式サイト、比較サイト、検索結果など王道ルートに比較的集約しており、情報収集の導線がより効率重視になっている印象です。
同じZ世代でも、大学生は“情報探索の幅広さ”、高校生は“身近さとSNS接点”、社会人は“手堅さ”という違いが表れています。
「引越サービス」選択時の重視点

引越サービスを選ぶ際の重視点を見ると、「料金の安さ」は3層共通して上位の反応を集めています。
高校生で特に高かったのは「口コミ・評判が良い」で料金の安さを上回っています。初めての引越や情報量の少なさもあるのか、サービスそのものの実力を自分だけで判断するより、先に使った人の評価を頼りにする傾向が強いことがうかがえます。
大学生はコスト関連の感度がかなり高くなっています。に安いだけでなく、“最終的にいくらかかるのかが見えやすいこと”や“比較しやすさ”まで重視している点が特徴です。加えて「Webやアプリで手続きしやすい」「電話連絡がしつこくなさそう」も大学生で高く、金額面と手続き面のストレスを減らしたい意識が強いと読みとれます。
社会人は全体に数値がやや分散する一方で、「作業スピード」が3層中トップでした。忙しい生活の中で引越を進める社会人にとっては、費用だけでなく、短時間でスムーズに終えられることも重要な価値になっているようです。
高校生が“安心材料”を、大学生が“コストの透明性”を、社会人が“効率”を見ている構図が見えてきます。
引越したい理想の部屋

理想の部屋像では、大学生と社会人の違いがかなり明確でした。大学生で最も高かったのは「通学・通勤の便利さ優先『立地重視』の部屋」。大学生活では、通学のしやすさに加え、アルバイト先や遊びの拠点へのアクセスも含めて、まず“動きやすい場所に住む”ことが優先されているようです。加えて「インテリアにこだわり『おしゃれ重視』」が3層で最も高いのも、大学生らしい特徴です。
一方、社会人で突出していたのは「休日も快適『居心地重視』の部屋」。これは他2層の反応値を大きく上回っており、社会人になると部屋は“寝るだけの場所”ではなく、“ちゃんと回復できる生活空間”として見られていることがわかります。さらに社会人は「新しくてきれいな『清潔感重視』」も3層中で最も高く、快適性や住み心地への目線が強いのが特徴です。
高校生は「防犯や環境も安心『安心感重視』」が最も高く、初めての一人暮らしや新生活を想定したときに、まず不安の少ない環境を求めていることが伝わってきます。
部屋選びひとつを見ても、大学生は利便性、社会人は居心地、高校生は安心感という違いがはっきり出ています。
「新生活を始める街(引越先の街)」の重視点

引越先の街に求める条件では、高校生・大学生ともに「通学・通勤に便利」「治安がよい」「家賃が手ごろ」が高い反応を集めました。利便性・安全性・コストの3点セットが街選びの核になっており、引越先の街を“憧れ”で選ぶというより、まずは生活がちゃんと成り立つかどうかをかなりシビアに見ている印象です。
社会人ももちろん実用性を重視していますが、高校生・大学生に比べると各項目の数値は全体に落ち着いており、条件を絞り込むというより、自分の生活スタイルに合うバランスを見ているようにも見えます。
引越先の街選びの参考情報

街選びの参考情報では、大学生の“情報収集のハイブリッドさ”がここでも際立ちました。大学生は「GoogleやYahoo!の検索結果」、「Googleマップ」だけでなく、「家族からの情報」、「友人・知人からの情報」、「その街に住んでいる(いた)人の話」も高く、検索情報とリアルな人の声をあわせて判断していることがよくわかります。単にWebで調べるだけでなく、“実際に住むイメージが持てる情報”を取りにいく姿勢が強い層だといえます。
一方で高校生は「実際に現地を見に行く」が最も高く、住宅・不動産情報サイト・アプリも高反応でした。
社会人は全体的に数値が低めで、参考情報の取り方がやや絞られている印象ですが、その中では現地確認、不動産情報サイト、Googleマップなど実務的な情報源が中心です。
大学生が“検索×地図×人の声”を組み合わせて街を見ているのに対し、高校生は“実際に見る”、社会人は“必要な情報を効率よく押さえる”という違いが見えてきます。
最後に
今回の調査を通して見えてきたのは、Z世代の引越意識がライフステージによってかなり違うということです。
高校生は、サービス選びでは口コミや評判、部屋では安心感、街では治安や家賃といった“失敗しにくさ”を強く意識していました。
大学生は、情報収集手段が最も多彩で、AI機能やGoogle、友人・知人、実際に住んでいる人の話まで幅広く活用しながら、料金や追加費用、比較のしやすさといった“納得して選べる条件”を重視しています。
社会人は、部屋の居心地や作業スピードなど、“生活全体のストレスを減らせるか”に重心が移っているのが特徴的でした。
同じZ世代でも“生活の前提”が違えば、効く訴求もチャネルも変わります。次回以降も、カテゴリごとに「高校生・大学生・社会人」の消費インサイトの違いを掘り下げていきます。
※Z世代とのコミュニケーションに課題をお持ちの事業会社のみなさまを対象に、今回の記事で未公開の調査結果も含めた完全版クロス数表を進呈しております。ご希望の方は下記「問い合わせはこちら」をクリックし、フォームに必要事項を入力の上、お問い合わせ内容欄に「有料動画配信サービスの完全版数表希望」と記載し送信してください。

- ライター:神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
- TRUE MARKETING編集長
Z世代トレンドラボ主任研究員
ストラテジックプランナー、リサーチャーとしてWebプロモーションの戦略立案、各種リサーチなどを担当。
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