Z世代消費インサイトWeekly調査 <第11回 ファストフード店編> ~ 友達とだらだら楽しむ高校生、独り時間を楽しむ社会人 ~
「Z世代消費インサイトWeekly調査」は、GMO NIKKOのオウンドメディア「TRUE MARKETING」内のコーナー「Z世代トレンドラボ」が毎週お届けするシリーズです。
様々な商品・サービスカテゴリーに対するZ世代の消費意識を、高校生・大学生・社会人の3層に分けて深掘りし、マーケティングに活かせるインサイトをお届けしています。
第11回となる今回のテーマは「ファストフード店」。
Z世代にとって、ファストフードとはどんな存在なのか? どのブランドが選ばれているのか? 情報収集や購入のきっかけは何なのか? 3つの層ごとの違いに着目しながら、調査結果を紐解いていきます。
調査概要
調査期間:2026年4月3日(金)〜 2026年4月5日(日)
調査方法:インターネット調査
調査元:Z世代トレンドラボ by GMO(GMO NIKKO株式会社)
調査対象:16〜28歳・男女 500名(高校生157名・大学生132名・社会人211名)
普段よく利用するファストフード店

どの層でも1位はマクドナルド、2位はミスタードーナツという顔ぶれは共通で、丸亀製麺やケンタッキーフライドチキンも上位に並ぶなど、Z世代全体のファストフード利用においてメジャーブランドの強さが改めて浮き彫りになりました。
注目すべきは、マクドナルドの利用率。高校生では73.2%が「普段よく利用する」と回答。大学生では58.3%、社会人では45.5%と、年齢が上がるにつれて緩やかに低下しています。
高校生にとってマクドナルドは、もはや日常に欠かせない存在と言えるでしょう。
また、社会人の4位にすき家(23.2%)がランクインしているのも見逃せないポイントです。高校生・大学生の上位にはミスタードーナツやサーティワンアイスクリームといったデザート・スイーツ系が目立つ一方、社会人はがっつり食事ができるブランドへのニーズが強く、牛丼チェーンが上位に食い込んできます。社会人になるとランチや夕食をしっかり済ませたいというシーンが増えるため、食事系ブランドへの親和性が高まるのかもしれません。
普段よく利用するファストフード店の選択理由

選択理由の1位は、高校生(38.4%)・大学生(23.5%)・社会人(27.7%)のすべての層で「メインメニューが美味しい」がトップ。
いくらお手軽でも、やはり味が決め手になるのはどの世代でも変わらないようです。
層ごとの違いに目を向けると、高校生は、3位に「友人とのおしゃべりにちょうどよい(26.1%)」が入っており、ただ食事をするだけでなく、友だちと過ごす場としての価値を重視していることがわかります。
高校生にとってファストフード店は、いわば"ちょうどいい溜まり場"なのでしょう。
大学生は、2位タイで「ボリューム・満足感がある(19.1%)」「お得感がある(19.1%)」が並んでいます。
おいしさに加えてコスパを重視する、いかにも大学生らしい合理的な選択です。限られた食費の中で、いかに満足度を最大化するかを考えた結果とも読み取れます。
社会人は2位に「メニューの品揃えが豊富(22.3%)」が入りました。
単に"おいしいもの"を求めるだけでなく、バリエーション豊かなメニューの中から気分に合わせて選べる充実感を求めている様子がうかがえます。食事の場として、より多様な選択肢を求めるのが社会人世代の特徴と言えるでしょう。
「ファストフード店の新メニュー」知るきっかけ

新メニューの認知経路として、テレビCM・番組の影響は全層で共通してトップとなりました。
高校生34.1%、大学生21.7%、社会人29.1%と、デジタルネイティブなZ世代においても、ファストフード店に関してはテレビが依然として強い影響力を持ち続けていることがわかります。
高校生は他の層に比べてYouTubeの動画(18.3%)、Instagramのリール・ストーリーズ動画(17.4%)、TikTokの動画(11.6%)の影響を強く受けているのが特徴的です。
動画コンテンツを通じて新しい情報をキャッチする傾向が強く、特に縦型のショート動画との親和性が高いことも見て取れます。ファストフードブランドにとって、高校生へのアプローチとして動画プラットフォームの活用は引き続き重要な戦略となりそうです。
社会人は公式アプリの情報(18.8%)がテレビCMに迫る高い数値を示しており、他の2層と比べて突出しています。
すでにアプリをインストールし、継続的に利用しているユーザーに対しては、公式アプリが最も効率よく新メニュー情報を届けられるチャネルになっているといえます。社会人層へのアプリを通じたプッシュ通知やキャンペーン配信は、継続利用を促す有効なマーケティング手法と考えられます。
「ファストフード店のメニュー」購入のきっかけ

実際の購入行動のきっかけを見ると、高校生(26.8%)と社会人(27.0%)はテレビCM・番組が1位で、認知から購買まで一貫してテレビが強い影響を持つことが確認できます。
特に社会人はテレビの影響が他の手段を大きくリードしており、広告出稿のROIという観点でも、この層にとってテレビの重要性は見逃せません。
大学生に目を向けると、テレビCM・番組(14.8%)は1位ではあるものの、他の層と比べると相対的に低い数値に留まっています。
代わりに、「友人・知人の口コミ(19.1%)」や「SNSのおすすめ投稿(16.2%)」が比較的高い水準を示しており、信頼できる身近な人や、アルゴリズムが選んだコンテンツからの影響を受けやすいことがわかります。大学生への購買促進には、いかに口コミやUGCを生み出すかが鍵になりそうです。
社会人では、新メニュー認知の傾向と同様に、公式アプリの情報(18.3%)と公式ウェブサイトやメルマガ(12.2%)が他の層より高い数値となっています。
すでに公式チャネルとの接点を持っているロイヤルユーザーに対して、アプリやメルマガは購買を後押しする強力なツールとして機能していると言えます。
あなたにとって「ファストフード店」とは?

3層すべてで1位となったのは「手軽にお腹を満たせる毎日の味方」(高校生38.4%・大学生33.9%・社会人38.5%)。
ファストフードの本質的な価値「手軽さと満腹感」は、年代を超えてZ世代に共通して支持されています。
しかしながら、2位以下に視線を移すと、各層のファストフードに対する"意味づけ"の違いが鮮明に現れています。
高校生の2位は「友だちとだらだら過ごせる気軽な場所(27.5%)」。
自由に使えるお金が限られている中でも、友だちとの時間をのんびり楽しめる場として、ファストフード店を積極的に活用している様子がうかがえます。選択理由で「友人とのおしゃべりにちょうどよい」が上位に入っていたことともリンクする結果です。
大学生の2位は「節約しながら気分も上がるコスパ最強の外食(30.4%)」。
選択理由でもボリュームやお得感が重視されていたように、大学生にとってファストフードは"コスパ最強の外食"という明確な位置づけがあります。節約しつつもちゃんと満足できる、そんなバランス感覚が大学生世代の賢さを物語っています。
社会人の2位は「一人でもまったく気にならない、独りにやさしい空間(34.5%)」。
社会人になると一人でランチや休憩にファストフードを利用する機会が増え、誰に気を遣うことなくくつろげる場としての価値が高まるようです。高校生・大学生が「友だちと」「みんなで」というイメージを持つのに対し、社会人は「ひとりの時間を快適に過ごせる場所」という全く異なる文脈でファストフード店を捉えているのが興味深いところです。
なお、3位は全層共通で「期間限定や新商品を試せるワクワクする場所」(高校生26.1%・大学生22.6%・社会人22.3%)がランクイン。
新商品や季節限定メニューへの期待感も、ファストフード体験の重要な魅力の一つとなっていることがわかります。
最後に
今回の調査を通じて、Z世代のファストフード利用におけるリアルな姿が浮かび上がってきました。
最後に、3層それぞれの特徴を整理し、マーケティング視点での示唆をお伝えします。
高校生にとってのファストフードは、何よりも"友だちと過ごすための場"です。
マクドナルドの利用率が7割を超えるほど日常に溶け込んでおり、店舗でのおしゃべりや滞在そのものに価値を感じています。
情報接触においてはYouTubeやInstagram、TikTokなどの動画プラットフォームの影響が強く、エンタメ性の高い動画コンテンツとの相性が抜群。
この層を動かすには、友だちと一緒に体験したくなるような訴求や、拡散されやすい動画コンテンツの設計が効果的でしょう。
大学生のキーワードは"コスパ"です。
おいしさは大前提としつつも、ボリューム・満足感・お得感を冷静に天秤にかけた消費行動を取っています。
口コミやSNSの推薦投稿が購買に影響を与えやすいことから、ユーザーの生の声を引き出しシェアしてもらえるような仕組みや、コスパを直感的に伝えるキャンペーン設計が有効です。
社会人は、ファストフード店を"独りにやさしい食の拠点"として捉えています。
公式アプリやメルマガをしっかり活用しており、すでにブランドとの接点を持つロイヤルユーザーが多い層です。
この層へのアプローチは、アプリやメルマガを通じた個別最適化されたコミュニケーション(クーポン配信・パーソナライズ情報など)が効果的です。
また、メニューの品揃えや食事場所としての充実感を訴求することも、この層の心に刺さりやすいポイントと言えるでしょう。
一方で、3層を通じた共通点として「テレビCMの影響力」と「新商品・期間限定メニューへの期待感」が挙げられます。
テレビは依然として認知・購買両面でZ世代にリーチできる重要なメディアであり、期間限定感や新しさを訴求することはどの層にも響く普遍的な訴求軸です。
ファストフードという一見シンプルなカテゴリーの中にも、層によってこれだけ多彩なインサイトが眠っています。自社のターゲット層に合わせたチャネル選択とメッセージ設計のヒントとして、ぜひ今回の調査結果をご活用ください。
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- ライター:神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
- TRUE MARKETING編集長
Z世代トレンドラボ主任研究員
ストラテジックプランナー、リサーチャーとしてWebプロモーションの戦略立案、各種リサーチなどを担当。
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