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Z世代消費インサイトweekly調査<第13回 ゲームアプリ編>  高校生・大学生・社会人のゲームアプリ利用状況

2026.05.21Gen Z Lab
Z世代消費インサイトweekly調査<第13回 ゲームアプリ編>  高校生・大学生・社会人のゲームアプリ利用状況

ゲームアプリの出会いは、縦型ショート動画が主役になっている。

ゲームアプリ市場は今やZ世代のデジタルライフに深く根ざした存在となっています。一方で、「Z世代」とひとくくりにしても、高校生・大学生・社会人、さらに男女によって、遊ぶゲームのジャンルも、新作の探し方も、広告への向き合い方も大きく異なります。

今回のZ世代消費インサイトweekly調査(第13回)では、Z世代500名を対象に、ゲームアプリの利用実態から新規発見経路、ダウンロードきっかけ、ショート動画広告への反応まで幅広く調査。高校生男子・高校生女子・大学生男子・大学生女子・社会人男性・社会人女性の6層で徹底比較しました。層ごとの「ゲーム消費行動の違い」を、デジタルマーケターの施策設計に役立つ視点から読み解きます。

この記事のポイント

・ゲームアプリ利用率は大学生男子が最も高く(67.2%)、社会人女性が最も低い(44.2%)
・よく遊ぶジャンルは、社会人(男女とも)でパズルゲームが突出。スポーツゲームは男子学生に、リズム/音楽ゲームは女子学生に強い傾向がある
・新規ゲームの発見経路は、高校生・大学生を中心にTikTokやYouTubeショートといった縦型ショート動画が大きく寄与しており、縦型ショート動画がゲームアプリ認知の主要チャネルとなっている
・「無料で始められる」は全層共通の最大ダウンロードきっかけ。女子・女性層は「キャラクター・世界観」も重要な動機になる
・ショート動画広告で最も響くのは「キャラクターの魅力が伝わる動画」。社会人男性は「実況者が楽しそうに遊ぶ動画」への反応が相対的に高い


1. ゲームアプリ利用率:6層比較でわかる"遊び格差"

「ほぼ毎日〜月に数回程度」ゲームアプリで遊んでいると答えた割合(=「普段遊んでいる」計)を6層で比較すると、興味深い差異が浮かび上がります。

最も利用率が高いのは大学生男子(67.2%)、次いで高校生男子(65.5%)と男子学生が上位を占めます。一方、社会人女性は44.2%と最も低く、社会人男性(50.5%)も高校・大学生と比べると明確に低い水準です。

注目すべきは大学生女子(62.9%)の高さ。高校生女子(48.8%)と比べて14pt以上高く、大学進学によって自由時間や自己裁量が広がることでゲームアプリへの接触が増えると解釈できます。社会人になると男女ともに利用率が下がる傾向がありますが、仕事・家事などの時間的制約が影響していると考えられます。

2. よく遊ぶジャンル:層によって異なるゲームの好み

ゲームジャンルの選好には、世代・性別ごとに一定のパターンが見られます。

パズルゲームは社会人(男性42.0%・女性45.7%)で突出して高く、時間・認知負荷の低い"ながら遊び"のニーズと合致するジャンルです。大学生女子(41.0%)も高水準で、パズルゲームは世代を問わず女性に支持される傾向があります。

スポーツゲームは男子学生で強く、大学生男子35.6%・高校生男子25.5%と高い一方、高校生女子2.4%・大学生女子5.1%と女子学生では低調です。野球やサッカーなどリアルスポーツとの連動性が高いコンテンツが男子層を引きつけていると考えられます。

リズム/音楽ゲームは女子学生に強いジャンルで、高校生女子29.3%・大学生女子28.2%と高水準。後述のランキングでもプロジェクトセカイが女子層に支持されていることと整合しています。社会人(男性18.0%・女性19.6%)にも一定の需要があり、幅広い層に訴求できるジャンルといえます。

RPGは社会人男性(28.0%)・社会人女性(23.9%)が学生層を上回る傾向にあります。腰を据えてじっくり遊べる時間帯(休日・夜間)の確保と、課金による強化への意欲が高い社会人の特性と関連していると考えられます。

アクションゲームは高校生男子(21.8%)・大学生男子(20.0%)・社会人男性(28.0%)と男性全般で一定の支持がある一方、女子・女性層では相対的に低く、性別による傾向差が出やすいジャンルです。

3. 最もよく遊んでいるゲームアプリ:層ごとのランキング

普段最もよく遊んでいるゲームアプリを自由回答で収集し、表記ゆれや略称を統合した上で6層ごとに集計しました。

高校生男子(n=55)

順位 アプリ名 回答者数
1位 Brawl Stars(ブロスタ) 7名
2位 プロ野球スピリッツA 4名
3位 プロジェクトセカイ 4名

対戦・バトル系の「Brawl Stars」がダントツの1位。手軽に友達と対戦できるカジュアルさと競技性を併せ持つ点が高校生男子に刺さっています。プロ野球関連ゲームも根強い人気を誇ります。

高校生女子(n=41)

順位 アプリ名 回答者数
1位 プロジェクトセカイ 3名
2位 刀剣乱舞-ONLINE- 2名
3位(同率) 第5人格 / Block Blast / ポケコロ 各2名

音楽ゲームの「プロジェクトセカイ」と歴史擬人化の「刀剣乱舞」が並ぶのは、キャラクターやストーリーへの没入感を重視する女子の傾向を反映しています。回答が分散していることも特徴で、"自分だけのお気に入り"を持つ多様性が高い層です。

大学生男子(n=45)

順位 アプリ名 回答者数
1位 プロ野球スピリッツA 7名
2位 パズル&ドラゴンズ 4名
3位 モンスターストライク 3名

大学生男子の1位はプロ野球スピリッツA。パズドラ・モンスターストライクと並んで長期サービス継続タイトルへの集中が見られ、時間・課金ともに大きく投資している層と推察されます。

大学生女子(n=39)

順位 アプリ名 回答者数
1位(同率) 刀剣乱舞-ONLINE- / LINEディズニー ツムツム / パズル&ドラゴンズ / リヴリーアイランド 各3名
※2位以下 分散

4タイトルが同率1位という結果は、大学生女子の好みの多様性を端的に示しています。キャラ重視の「刀剣乱舞」、カジュアルな「ツムツム」、定番パズルRPGの「パズドラ」、アバター・ライフスタイル系の「リヴリーアイランド」まで、スペクトルの広さが際立ちます。

社会人男性(n=50)

順位 アプリ名 回答者数
1位 パズル&ドラゴンズ 6名
2位(同率) モンスターストライク / プロ野球スピリッツA 各4名

社会人男性は「パズドラ」「モンスト」という2大長期タイトルが安定してトップに。10年以上サービスが続くこれらのゲームは、社会人になってもやめられない"習慣化"されたエンタメとして機能しています。

社会人女性(n=46)

順位 アプリ名 回答者数
1位 LINEディズニー ツムツム 11名
2位 PUBG MOBILE 2名
3位 (分散)

社会人女性では「LINEディズニー ツムツム」が有効回答の約30%を占める圧倒的1位。隙間時間にLINEと連携しながら手軽に遊べるカジュアルゲームへの需要の高さを示しています。

4. 新規ゲーム発見経路:どこで知って、何がきっかけで遊ぶのか

新しいゲームアプリを知る経路は、層によって明確な差があります。

TikTok動画YouTubeショートに代表される縦型ショート動画は、高校生・大学生を中心に新規ゲーム発見の主要チャネルとして定着しています。特にYouTubeショートは大学生男子(37.8%)・高校生男子(32.7%)で最上位に入り、TikTokは大学生女子(33.3%)・高校生男子(30.9%)・社会人女性(28.3%)で高い数値を示しています。両プラットフォームを合算すると、学生層の多くが縦型ショート動画経由でゲームと出会っているといっても過言ではありません。

一方、友人・知人からの紹介は社会人男性(38.0%)が最も高く、ソーシャルグラフを通じた口コミの重要性を示しています。社会人男性向けのゲームマーケティングにおいてはリファラル施策や"友達と一緒に遊べる"体験設計が有効と考えられます。

大学生女子は「TikTok動画(33.3%)」「友人・知人の紹介(30.8%)」がほぼ同水準で、SNSと人的ネットワーク双方からのアプローチが有効な層です。

5.「遊んでみたい」と思うきっかけ:刺さるポイントは層で異なる

全層共通で上位に入るのは「無料で始められる」という訴求。高校生男女(約40%)・大学生男子(33.3%)など学生層での支持が高く、まず試す際のコストゼロ訴求は欠かせない要素です。

大きな層差が出たのが「キャラクター・世界観が好みだった」。高校生女子34.1%に対し高校生男子16.4%と2倍以上の差があります。女性向けゲームマーケティングにおいてキャラクタービジュアルの訴求が引き続き重要であることが示されています。

ゲーム画面が面白そうだった」は高校生女子36.6%・高校生男子32.7%とともに高く、ゲームプレイの映え・ビジュアルインパクトが高校生世代には特に響きます。動画広告でのプレイ画面の見せ方が重要な理由のひとつです。

大学生女子は「友人が遊んでいた(30.8%)」が最も高いという点も特徴的で、友人ネットワーク経由の体験共有がダウンロードの決め手になりやすい傾向があります。コミュニティ機能や友達招待ボーナスの設計が特に効果的な層といえます。

6. ショート動画への反応:広告クリエイティブ設計の鍵

TikTok・Instagramリールなどの縦型ショート動画における効果的なゲーム広告コンテンツとして、全層で最も支持されたのは「キャラクターの魅力が伝わる動画」です。高校生女子31.7%・大学生男子28.9%・大学生女子28.2%・社会人女性26.1%と、男女・世代を超えて共通して響くクリエイティブ要素となっています。

実際のプレイ画面がわかりやすい動画」は高校生男子(27.3%)・高校生女子(29.3%)で特に高く、「どんなゲームか直感的に理解できること」を学生層は強く求めています。

広告っぽくなく、自然に紹介されている動画」は高校生女子26.8%・社会人女性21.7%・高校生男子21.8%で上位に入り、インフィード広告においてUGC風・インフルエンサー紹介風のネイティブな見せ方が効果的であることを示しています。

一方、社会人男性は「実況者・インフルエンサーが楽しそうに遊んでいる動画(24.0%)」が相対的に高いという特徴があります。社会人男性へのリーチにはゲーム実況者とのタイアップコンテンツが有効な手段となりそうです。

また、「広告と実際のゲームアプリで内容が全然違うことが多い(高校生男子29.1%・高校生女子26.8%)」という不満が高校生層で高く、広告と実際のゲーム体験の乖離を最小化することがZ世代の信頼獲得に不可欠です。

7. まとめ



今回の調査から、Z世代のゲームアプリ消費行動は「Z世代」というひとくくりでは語れない、6層それぞれのインサイトが存在することが明確になりました。

【ゲーム利用率のポテンシャルは大学生(男女とも)が最大】大学生はゲームアプリ利用率・ジャンルの多様性ともに高く、最も攻略価値の高い層です。新タイトルの初期ユーザー獲得を狙う際には、大学生(特に男子)へのYouTubeショート・TikTok経由の訴求が有効です。

【縦型ショート動画はゲームアプリ認知の主要インフラ】TikTokとYouTubeショートは高校生・大学生の新規ゲーム発見において圧倒的な存在感を持ちます。縦型ショート動画への出稿・UGC活用は若年層向けゲームマーケティングの必須施策といえます。

【女性層にはキャラクター・世界観を、男性層にはプレイ映えと競技性を】女子・女性ターゲットのゲームマーケティングでは、キャラクターの魅力と世界観の提示が一貫して重要。男子・男性向けには実際のプレイ画面や対戦・スポーツリアリティが訴求の核になります。

【「無料体験」と「広告の誠実さ」が若年層の信頼を左右する】全層で「無料で始められる」が最大のダウンロードきっかけである一方、「広告と実際のゲームが違いすぎる」という不満も高校生層で目立ちます。まず無料で試せることを前面に出しつつ、実際のゲーム体験に忠実なクリエイティブで信頼を獲得することがZ世代攻略のカギです。


調査概要
調査名:Z世代消費インサイトweekly調査 第13回 ゲームアプリ編
調査対象:15〜29歳のZ世代 男女500名(高校生168名、大学生129名、社会人203名)
調査方法:インターネット調査
分析軸:高校生男子・高校生女子・大学生男子・大学生女子・社会人男性・社会人女性の6層
※ ゲームアプリ利用頻度・ジャンル等の設問は「普段ゲームアプリで遊んでいる人」ベース(n=276)

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神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
ライター:神津 洋幸(こうづ ひろゆき)
TRUE MARKETING編集長
Z世代トレンドラボ主任研究員
AI検索ラボ編集員

ストラテジックプランナー、リサーチャーとしてWebプロモーションの戦略立案、各種リサーチなどを担当。
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