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「使える補助金」を探す前に考えること|補助金活用支援会・小野田直人氏に聞く

「使える補助金」を探す前に考えること|補助金活用支援会・小野田直人氏に聞く

「使える補助金を知りたい」。そうした相談の背景には、投資の目的や時期、必要な資金がまだ整理されていないという課題があることも少なくありません。補助金活用支援会Ⓡが大切にしているのは、制度を紹介する前に、事業で何を実現したいのかを一緒に考えることです。

専門家による支援を、相談しやすい費用と体制でどう届けるのか。運営会社であるハイブリッド経営サポート株式会社の代表取締役・小野田直人氏に、サービス設計、紹介を中心とした集客、AIを使った新しい相談の入口について聞きました。

補助金活用支援会Ⓡとは

補助金活用支援会Ⓡは、ハイブリッド経営サポート株式会社が運営する中小企業向けの経営支援組織です。事業の方向性や投資目的、資金計画を整理し、補助金や融資などの活用を支援しています。オンラインを中心に、全国の企業から相談を受けています。

代表の小野田直人氏は、大手電子機器メーカーでBtoBマーケティング、法人営業、営業本部長、開発購買部門の本部長、システム開発などを経験。会社員として働きながら2014年に中小企業診断士として登録し、診断士4名で始めた任意団体を2018年に法人化しました。

現在は150名を超える中小企業診断士が登録し、行政書士や社会保険労務士とも連携しています。融資・経営革新・補助金などを合わせた支援件数は累計640件以上です(2026年10月時点の社内案件一覧に基づく)。聞き手は、GMO AIかんたん集客の吉田一貴です。

補助金を探す前に投資の目的を整理する

同会には、設備導入や業務改善、新事業、販路開拓を考える企業から相談が寄せられます。小野田氏は、補助金を利用できるかに加え、その投資が経営課題の解決につながるかを確認しています。

吉田:相談に来る企業は、どのような課題を抱えているのでしょうか。

小野田:「使える補助金を知りたい」というご相談でも、お話を伺うと、投資の目的や時期、必要な資金がまだ定まっていないことがあります。その場合は、経営上の課題と投資で実現したいことを確認し、その投資が課題の解決につながるかを一緒に考えます。

一方、中期計画があり、それに沿って補助金を活用したいという企業には、計画に合った制度や支援策を探すところからお手伝いします。補助金ありきで進めるのではなく、事業の方向性や投資目的、資金計画から考えることを大切にしています。

吉田:相談しても、依頼に至らないことはありますか。

小野田:あります。公募時期と投資計画が合わない場合や、購入を終えた設備しかなく、対象となる経費が見当たらない場合などです。そのときは理由をお伝えします。

ただ、今回の条件がそろわなくても、次回の公募に向けて準備を進めたり、別の補助金を検討したりできることもあります。最初の面談では、投資の目的だけでなく、実施時期や資金計画、実行体制まで伺っています。

専門家との対話で構想を事業計画にする

経営者には構想があっても、事業計画にまとめる時間や経験が足りないことがあります。同会では、質問を通じて考えを整理し、投資後に実現したいことを資金計画とともに具体化しています。

吉田:お客様は、支援のどこに価値を感じていますか。

小野田:質問に答えながら、事業計画をまとめられることです。経営者の方は、やろうと思っていても計画をまとめる時間が取れないものです。一度も事業計画を作ったことがない方もいらっしゃいます。

そこで、何に投資するかに加えて、その後に何を実現したいかを伺い、計画に落とし込んでいきます。必要に応じて、資金計画や融資の相談にも対応します。中小企業診断士に加え、行政書士や社労士とも連携しているため、一つの窓口で相談できる点も評価されています。

吉田:全国の企業を、どのような体制で支援しているのでしょうか。

小野田:オンライン面談で事業の現状や投資計画を伺い、その後は、お客様が使い慣れたチャットツールなどで担当チームとやり取りします。事業計画の作成は中小企業診断士が支援し、必要に応じて行政書士と連携します。対面での対応が必要な場合は、地域や条件を個別に相談します。

採択後もチャットから相談できる点は便利に使っていただいています。ただし、交付決定後の報告支援などは基本料金に含まれないため、ご依頼の際に範囲と費用をご説明します。

費用を抑える仕組みと支援範囲を明確にする

小野田氏は、専門家による支援と費用のバランスが、依頼の決め手になると考えています。社内業務の自動化で固定費を抑えるとともに、基本料金に含む支援と追加対応を分けて案内しています。

吉田:他社や自社での申請と比較されたとき、何が選ばれる理由になりますか。

小野田:費用の負担を抑えられることは、大きな理由だと考えています。もともと会社員として働きながら始めたサービスなので、社内のオペレーションをできるだけ自動化してきました。役員と従業員は合計3名ですが、多くの専門家と連携して支援する体制をつくっています。

私自身のシステム開発などの経験も生かし、固定費を低く抑えることが、サービスを提供する際のコストにもつながっています。

吉田:料金と支援範囲は、どのように説明していますか。

小野田:基本の支援範囲は交付決定通知書の入手までで、その後の報告支援は、必要に応じて別料金でお受けしています。公開料金表では、着手金は大型補助金で10万円から、小規模事業者持続化補助金で3万円です。成果報酬は交付確定金額の12%を基本とし、制度や金額によって下限・上限があります。いずれも税別です。

初回の相談で現状や投資計画を伺い、支援範囲が決まった段階で、基本料金と追加費用をご説明します。行政書士に申請書の作成・提出を依頼する場合には、別途かかる手続手数料も事前にお伝えします。

成長企業の構想を課題と投資と効果でつなぐ

新事業の構想を持つ企業でも、投資の必要性や数値計画を整理する時間を確保するのは容易ではありません。支援事例から見えてくるのは、経営者の考えを聞き、第三者の視点で根拠と数字をつなぐ役割です。

吉田:支援の価値が伝わる事例を教えてください。

小野田:あるサービス業の企業から、自社サービスを新事業として立ち上げたいという相談がありました。既存事業は受託が中心で、新しい構想を投資計画や数値計画に落とし込むことが課題でした。

以前支援した経営者からの紹介で、他の支援事業者とも比較されていました。その中で、専門知識とコストのバランスを評価していただきました。

担当の中小企業診断士が、外部環境と自社の強み・弱みから課題を整理し、開発する機能の必要性や競合との差別化、KPI、付加価値額、賃上げの計画を一貫した筋道でまとめました。スケジュールや実施体制についても補足資料を作成し、補助金の採択につながりました。

吉田:この事例から、どのような学びがありましたか。

小野田:成長企業ほど構想が明確でも、それを「課題→投資→効果」の筋道や数値計画に整理する時間が足りないということです。経営者の構想を伺い、根拠と数字をつないで、実現性の高い計画に導くことが、私たちの提供できる価値だと考えています。

口コミ中心の集客からWebとAIで相談の入口を広げる

これまでの相談は、ほぼ口コミ・紹介が中心でした。同会は、制度情報を発信するWebサイトの充実に加え、AIに相談内容を整理してもらう「補助金活用事前相談室」を設け、専門家への相談につなげようとしています。

吉田:これまで、どのような接点から相談につながっていましたか。

小野田:ほぼ口コミ・紹介です。紹介を受けた方にも必ず面談でお話を伺い、支援内容や相談の流れを確認していただいています。一時期は事業承継・M&A補助金のLPと広告を出していましたが、公募が途切れた2024年に終了し、その後は再開していません。

2026年9月末からは、Webサイトの情報を充実させ、検索からの問い合わせや、AI検索での情報の取り上げられ方を意識した取り組みを始めました。ただ、まだ目に見える成果は確認できていません。

吉田:専門性や信頼を伝えるために、情報発信では何を意識していますか。

小野田:制度を紹介する記事には、対象となる事業者、締切、情報の確認日、公式資料へのリンクを載せています。制度の紹介だけでなく、申請後に必要になる計画変更や返還の手続きも取り上げています。

サイトの閲覧数は把握していますが、記事経由の相談件数までは把握できていません。情報発信による成果は、これから確認していく段階です。

吉田:新しい「補助金活用事前相談室」は、どのようなサービスですか。

小野田:活用したい補助金が決まっていなくても、取り組みたい事業や投資の内容からAIに相談できるサービスです。相談内容をまとめたレポートを受け取り、それをもとに専門家と個別相談ができます。新サービスとして、2026年末までは無料でご利用いただけます。

設備導入や業務改善、新事業、販路開拓を考え始めた段階で相談していただきたいですね。経営ビジョンや中期計画、投資の目的、実行時期、資金計画を一緒に整理していきたいと考えています。

制度選びから事業の実現に向けた相談へ

補助金活用支援会Ⓡの特徴は、補助金を利用することだけを目的にせず、経営者の構想を実行に向けた計画へ整理する点にあります。その支援を届けるため、専門家との連携、社内業務の自動化、支援範囲と料金の明示を組み合わせています。

これから力を入れるWebやAIの活用も、事業者が専門家に相談するための入口を広げる取り組みです。専門サービスのマーケティングでは、何を支援できるかを伝えることと、相談を始めやすい仕組みを用意することの両方が重要だと分かります。

※情報は2026年10月の取材回答に基づきます。最新の提供内容・料金・利用条件は、公式サイトまたは個別相談でご確認ください。

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プロフィール
吉田一貴
マーケティング支援会社での10年以上の経験。 各種マーケティングに精通し、累計運用額50億円以上・30媒体以上の実績を誇る。
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